最高裁は2026年8月21日、連邦議会の承認なしにホワイトハウス東翼跡地で進められてきた総工費4億ドルの大規模なボールルーム建設工事について、当面の間継続を認める決定を下した。ジョン・ロバーツ最高裁判長が下級審の工事差し止め命令を一時的に停止する措置をとった。
ジョン・ロバーツ最高裁判長による一時停止命令の仕組み
最高裁は8月21日、ホワイトハウスの東翼跡地で進められている大規模なボールルーム建設工事について、差し止めを命じた下級審の判断を一時的に凍結した。ジョン・ロバーツ最高裁判長が署名した簡潔な命令により、差し止め命令の発効期限とされていた同日金曜日の直前で工事の継続が可能となった。
この行政的執行停止は、司法判断が最終的に下されるまでの暫定的な措置である。最高裁は、トランプ政権側が求めた緊急上訴について、今後さらに深く審理するための時間を確保した。
歴史的建造物の保護団体とトランプ政権の法廷闘争
同協会は、大統領が法的な認可や議会の承認を得ずに工事を進めているのは権限の濫用であり、9万平方フィートに及ぶ巨大な増築計画はホワイトハウスの景観を圧倒すると主張してきた。これに対しトランプ政権側は、大統領には連邦財産およびその維持・開発に関する広範な権限があると反論している。
地下の軍事・安全保障施設と9万平方フィートの巨大空間
ホワイトハウスの東翼跡地で進行中のプロジェクトは、単なる社交用の大広間にとどまらない。計画には核攻撃にも耐えうる地下防空壕や医療施設、狙撃陣地、ドローンポートといった安全保障上の重要施設が含まれており、政権側はこれを「統合軍事複合施設」と位置づけている。

裁判の行方を左右する「不可逆的な工事の進捗」
下級審の審理では、連邦地裁のリチャード・レオン判事が春に計画の一部差し止めを命じ、地下の安全保障関連施設の工事は認める一方で、地上部分の建設は違法であるとして一時停止を言い渡した。その後、コロンビア特別区連邦控訴巡回裁判所も2対1の意見で下級審の判断を支持し、議会による承認の欠如を指摘した。

しかし、トランプ政権側は控訴審が与えた14日間の猶予期間を利用して最高裁に救済を求めた。ジョン・ソワー米国法務長官は最高裁への書面で、250人の作業員が週7日、1日20時間体制で突貫工事を進めているため、プロジェクトはすでに全体の65%が完了しており、裁判所が後に建物の撤去や変更を命じたとしても物理的に実行不可能な「引き返し不能な地点」を過ぎたと主張した。
保存協会の代理人らは、政権側が裁判所の審理から逃れるために意図的に工事を加速させていると強く非難している。「司法審査から逃れようと急ピッチで工事を進め、いまや引き返せないという既成事実を作ろうとしている」と訴えており、最高裁が今後の本案審理でどのような最終判断を下すのかが最大の焦点となっている。