噛むことや飲み込むことに困難を抱える人々においしい食事の楽しみを届けることを目的とした食器が人気を集めている。
「インクルーシブフード」は、食事に問題がなくても、おいしい食事を楽しみたいすべての人を対象としています。
いくつかの料理は、見た目も味も普通の食べ物のように見えるように作られています。一見するとリンゴ丸ごとのように見える料理は、実はリンゴ風味のゼリーで、チーズベースのムースで覆われ、ベリーソースでコーティングされています。デザートはとても柔らかいので、噛まずに飲み込むことができます。
パティシエの清水佳代さん(45)が2023年秋、かむことや飲み込むことが難しい子どもの親たちと話し、この料理を考案した。食べた時に心地よい食感があるデザートを開発することを決めた。清水さんは以前にも、東京都と連携したプロジェクトの一環として、インクルーシブフードを開発したことがある。
清水さんは将来カフェを開き、このデザートをメニューとして提供することを計画している。「食事に困難を抱える人たちのために、香り、手触り、見た目に良い食べ物を作りたい」と彼女は語った。
インクルーシブ フードは、障害の有無にかかわらず、食べる喜びを分かち合うことが大切な体験であるという考えに基づいています。障害のある人にとって、安全な食事は一般的に不可欠であると考えられていますが、食べる喜びを分かち合うことも同様に重要であると考えられています。インクルーシブ フードは、全員が同時に食べ始められるように準備されます。ブレンダーで食べ物を粉砕するなどの特別な準備は必要ありません。
食事介助が必要な子どもの親らでつくる一般社団法人「モグモグエンジン」代表の加藤さくらさん(43)は「ありがたい」と話す。次女の真子さん(14)は全身の筋肉が弱くなる難病「筋ジストロフィー」を患っている。
加藤さんは娘が食べるのが大好きだと言う。「言葉でうまくコミュニケーションが取れなくても、いつもより早く食べるので、食べ物の味を楽しんでいるのが分かります」と彼女は言った。
咀嚼や嚥下障害のある人向けに用意された食事は、必ずしも食欲をそそるものではなく、食事に問題のない人にはよく知られていないものです。
「同じ部屋にいる全員が一緒に『いただきます』(食べ物への感謝を表す言葉)を言い、同じ食事を始められるようになればいいなと思います」と加藤さんは語った。
協同組合レストラン
噛んだり飲み込んだりすることが難しい人を含め、誰もが食べられるメニューを提供するレストランも出始めている。
東京都新宿区のチョコレート専門店「チョコラビットラボ」は、飲みやすい濃厚なドリンクを提供している。店長で医師の岡本沙織さん(40)は「チョコレートは口の中で自然に溶け、香りや味もよいので、子どもや高齢者、口腔機能障害などがある人でも食べられる」と話す。
東京・立川市にあるスープストックトーキョーのルミネ立川店では、噛むのが難しい人にも配慮したスープメニューを8品用意している。スープの説明には、食材の食感を示す表が添えられている。客は食べる前にマッシャーなどの道具を使って調整できる。
東京医科歯科大学の東原遥教授は、通常の食事に支障がある人への配慮をした食事を提供する飲食店などの情報をインターネットで発信している。
「食事の選択肢が広がることで、嚥下や咀嚼に問題のある人たちは食事をもっと楽しめるようになり、彼らとその家族はより前向きに生きる意欲が湧くでしょう」と東原教授は語った。「より多くのレストランが、食事が食べやすくなるように食器を提供するなど協力的になれば、障害があっても外出しやすくなり、よりインクルーシブな社会に貢献できるでしょう。」THE JAPAN NEWS/ASIA NEWS NETWORK
#嚥下咀嚼障害を持つ人のためのインクルーシブフードが日本で人気上昇