兵庫県丹波市でマツタケ採取を試みた住民が、山中で名前の判別できないキノコを多数発見しました。専門家はAIによる鑑定の不確実性を指摘し、正確に食用と判断できない場合は「採らない・食べない・人にあげない」ことを徹底するよう呼びかけています。
丹波市の山でマツタケを探す試み
兵庫県丹波市青垣町の住民が、過去2年間収穫がなかったマツタケ山へ9月30日に向かいました。この山は、マツタケが発生しない前提で「村への寄付」のつもりで1000円で落札した場所だと、丹波新聞が報じています。現地はマツが生える尾根筋で、急斜面を登ったものの、マツタケは見当たりませんでした。マツタケ発生の好条件とされる日当たりや水はけは満たしているものの、落ち葉が多く、地面が痩せていないことが環境として劣っている要因とみられています。
採取された12種類の「名前のわからないキノコ」
マツタケは収穫できませんでしたが、山には多種多様なキノコが生えていました。下山時に確認すると、かさにぬめりがあるもの、ひだに筋があるもの、軸が空洞なものなど、12種類のキノコを採取していました。住民はスマートフォンの自然系アプリによるAI鑑定を試みましたが、正確な名称は表示されず、「〇〇の仲間」といった曖昧な提案にとどまったといいます。最終的に、自身の知識で確実に判別できたのは、有毒のドクベニタケと、食用であるムラサキシメジの2種類のみでした。

AI鑑定の危険性と専門家の警告
日本菌学会の松本則行氏は、AIによるキノコ判別を信じて食中毒を起こす事例があることに警鐘を鳴らしています。FNNプライムオンラインの取材に対し、松本氏は「キノコに関して調べることをAIにお任せするのはダメ」と述べ、ネット上の誤った情報やAIの不確実な判断を鵜呑みにしないよう注意を促しました。新潟県では、シイタケに似た毒キノコ「ツキヨタケ」による食中毒が多発しており、専門家は「分からないキノコを食べてみる、人にあげることは決してしない」と強い警告を発しています。
山歩きで直面した迷走と教訓
丹波新聞の続報によると、別のマツタケ山を探索した際、同行者とはぐれ、スマートフォンのナビを頼りにしても方向感覚を失う事態が発生しました。山中では目印が少なく、自身が現在地を説明できない状況に陥り、マツタケを探す時間よりも迷っている時間が長くなるという経験をしました。この経験から、住民は「素人が知らない山に登ってはいけない」という教訓を得たと記しています。
- 食用と断定できないものは採らない、食べない、人にあげない。
- AIの判定やネット上の「加熱すれば食べられる」といった情報を鵜呑みにしない。
- 不慣れな山への単独あるいは知識不足での入山を避ける。
確実な知識を身につける重要性
採取したキノコについて、住民は同市内の山崎春人氏に同定を依頼しました。山崎氏からは「確実に食べられるものから覚える」との指南を受けています。しかし、山中ではテングタケやシロオニタケといった特徴的な毒キノコが目立ち、素人には判別が難しい実態が浮き彫りとなりました。今後も山で見かけるであろうキノコの名前を正しく知るため、専門家の意見を聞きながら、安全な採取に向けた知識を深めていく意向です。