辺野古沖転覆事故、遺族が県に安全基準の策定を要請
2026年3月、沖縄県名護市辺野古沖で修学旅行中の船が転覆し、同志社国際高校2年の武石知華さん(当時17)が命を落とした。事故から7カ月。17日、両親は沖縄県庁で古謝玄太知事と初めて面談し、二度と悲劇を繰り返さないための具体的な安全対策を強く求めた。
学校と旅行会社をつなぐ管理ガイドライン
両親が提案したのは、組織的な安全管理の枠組みだ。学校と旅行会社が情報を共有するためのガイドライン策定に加え、体験活動を提供する団体を登録制にすることを求めた。保険加入状況を網羅的に確認できる仕組みを構築し、沖縄が今後も修学旅行先として安心して選ばれる地域であり続けるために、県が主導的な役割を果たすよう訴えた。
「放置されてはいけない」現場の危機感
面談の場において、父親は生徒に提供されるサービスの実態に対し、厳しい言葉を投げかけた。「安全が確保されていない状態のものを生徒に提供し、それが長年放置されることがあってはいけない」。現状の管理体制に対する強い疑義である。母親もまた、「より良い研修旅行が実施されることが知華の供養になる」と語り、再発防止に向けた切実な願いを伝えた。
知事の追悼と今後の県政方針
古謝知事は面談に先立ち、17日午前に事故現場となった名護市辺野古の漁港を訪れた。海域に向かって一礼し、献花を行っている。面談の中で知事は、事故の教訓を県政に反映させる方針を明言。「修学旅行における安全管理の徹底や、子どもたちが安心して学べる環境づくりを進める」と述べ、県としての取り組みを約束した。なお、今回の面談は9月の知事選後、古謝氏側から両親の代理人弁護士を通じて打診が行われ実現したものである。
明かされた前知事への複雑な胸中
非公開で行われた面談後、父親は自身の心境を整理するまでの時間を振り返った。その上で、事故当時の玉城デニー前知事側からは接触がなかったことについて、「少し残念ではあった」と語った。遺族が亡き娘への思いを抱えながら求めたのは、実効性のある安全対策の実現だ。県が今後どのようなガイドラインを策定し、いかに具体策を講じていくのか、その対応が問われている。