2026年11月3日の米中間選挙を控え、世論調査での低支持率に直面する共和党は、下院の過半数維持が困難との見方が広がり、上院の死守へと戦略を転換させている。ドナルド・トランプは全米を巡る遊説を行い、自身への投票と同様の熱量を求めている。
下院維持の懸念と選挙区からの撤退
ホワイトハウス補佐官や共和党グループの協議によると、共和党指導部は下院の過半数維持が極めて困難であるとの認識に至っている。
下院の過半数を握る共和党系スーパーPAC「議会リーダーシップ基金(CLF)」は、ミシガン州やオハイオ州の地区における広告出稿を停止した。ネブラスカ州で引退するドン・ベーコンの選挙区のほか、ニュージャージー州やアイオワ州の現職共和党議員の選挙区においても残りの広告枠のキャンセルを開始している。
ホワイトハウス広報担当のリズ・ヒューストンは声明で、「ドナルド・トランプ大統領は上下両院における共和党の過半数の維持に全力を尽くしています」と述べた。

上院防衛へのシフトとアラスカ・アイオワ・オハイオの防衛線
ホワイトハウス補佐官やMAGA Inc.の関係者は、上院の過半数維持に向けた防衛へと軸足を移している。郵便投票の早期の出足が2024年の大統領選挙なみに堅調であることを踏まえ、上院はまだ十分に勝負可能だと分析されている。
MAGA Inc.の関係者は、アラスカ州、アイオワ州、オハイオ州における上院議席を確保できれば、民主党による上院掌握への道を阻む防衛線になると試算している。もっとも、ノースカロライナ州の議席に関しては悲観的な見方が強く、共和党の上院議員選挙運動組織は10月初旬から同州での広告出稿を停止している。

有権者の逆風と経済・外交をめぐる論点
全国的な世論調査では、トランプの支持率は30%台前半に沈み、不支持率は60%を超えている。有権者は生活費の高騰やエネルギー価格の上昇についてトランプの責任を問うており、中でもイランとの戦争に起因する燃料費や生活費の圧迫が争点として浮上している。
トランプの遊説と党内の内紛懸念
トランプは選挙直前まで毎日異なる州を訪問するスケジュールを組んでいる。オハイオ州をはじめ、アラスカ州、モンタナ州、アリゾナ州、ジョージア州などを巡り、集会を通じて支持層を投票所に呼び戻そうとしている。
サウスカロライナ州の集会において、トランプは支持者に対し次のように訴えた。
ドナルド・トランプは集会演説で、「私が投票用紙に記載されているつもりになってほしいとお願いしているのだ。私は投票用紙に載っている。私は投票用紙に載っているのだ」と述べた。