中国政府は16日、トランプ米政権で短期間に解任されたケイティ・ザカリア元大統領報道官に対し、中国をより頻繁に訪れるよう呼び掛け、同氏が過去の中国滞在を振り返り「まともなトイレさえない」と発言したことに反応を示したとCNNが報じた。.
「まともなトイレがない」発言への中国側の反応
中国外務省の毛寧報道官は16日の定例会見で、ザカリア氏の発言に対し皮肉を交えて応じた。毛報道官は「機会があれば、ぜひもっと頻繁に中国を訪れて、その目で中国を見ていただきたい」と述べ、現地を視察するよう公に呼び掛けた。この発言は、ザカリア氏が15日に配信されたポッドキャスト番組で、中国の発展状況を軽視するような回想を披露したことを受けたものだ。
ザカリア氏がポッドキャストで語った中国の記憶
ザカリア氏は、極右のポッドキャスト配信者であるジャック・ポソビエック氏との対談で、2016年の米大統領選前後の情勢について言及した。同氏は「中国から帰国したばかりの頃、どうして中国が次に台流する国になるのか。まともなトイレさえないのに」と語り、当時の印象を振り返っている。この対談での発言が波紋を広げ、インターネット上でも議論を呼ぶ事態となった。
中国版SNSでの世論と経済発展の現実
中国のSNS「微博(ウェイボー)」では、ザカリア氏の発言を「愚かな」ものだと批判する投稿が相次いだ。一方で、10年前の中国には基準に達していない公衆トイレが存在していたことを認める冷静な意見も見受けられる。中国は1970年代後半の改革・開放政策以降、急速な経済成長を遂げ、世界第2位の経済大国となった。数億人が貧困から脱却したが、都市部と農村部との間には依然として深刻な格差が残っている。
短期間で幕を閉じた報道官としてのキャリア
ザカリア氏はトランプ政権で大統領報道官に任命されたものの、就任から1週間足らずで解任されるという異例の短命に終わった。就任直後からメディアによる経歴の精査が厳しく行われ、特に中国での勤務経験が注視された。同氏のリンクトインのプロフィルには、2011年から約2年間、北京にある大手法律事務所の国際業務チームで「アソシエート」として勤務した経歴が記載されている。
法律事務所での経歴と資格を巡る不透明さ
ザカリア氏は声明の中で、「必要な資格をすべて取得したうえで、国際取引法の実務に携わっていた」と説明している。しかし、中国司法省の規定によれば、中国で弁護士資格を取得できるのは中国国民のみに限られる。このため、同氏が北京で具体的にどのような資格を取得し、どのような業務範囲で活動していたのかについては、依然として不透明な部分が残っている。
- 2011年から約2年間:北京の大手法律事務所で勤務
- 2016年:大統領選前に中国の台頭とインフラ環境について言及
- 2025年1月15日:ポッドキャストで過去の中国滞在を語る
- 2025年1月16日:中国外務省がザカリア氏を招待
ザカリア氏の解任と今回の中国外務省による異例の「招待」は、短期間で米中間の対立軸と個人の経歴が複雑に交錯する結果となった。今後、ザカリア氏がこの招待に応じるのか、あるいはこの発言を巡る議論がどのような形で収束していくのかが注目される。