イギリス全土で危機に瀕している赤リスの保護と意識向上を目指し、レッド・リス・リカバリー・ネットワーク(RSRN)が総額25万ポンドの資金提供を行うプロジェクトを始動しました。ボランティアグループや地域コミュニティを対象に、小規模な活動から大規模な生息地保護まで幅広いアイデアを募集しています。
RSRNによる25万ポンドの助成金支援
レッド・リス・リカバリー・ネットワーク(RSRN)は、赤リスの保護活動に取り組むグループを対象とした25万ポンド規模の資金援助の申請受付を開始しました。このプロジェクトは2025年に開始されたもので、ノーサンバーランド、カンブリア、マンチェスター、ランカシャー、マージサイド、そしてスコットランド南部の各地で、保全パートナーやボランティアグループと協力しながら絶滅危惧種である赤リスについての認識を高める活動を進めています。
今回の助成金制度では、テーマに沿ったウォーキングイベントなどの比較的小規模な活動を支援する最大500ポンドの小口助成から、より広い範囲に影響を与えるアイデアを支える最大5,000ポンドまでの資金が用意されています。RSRNは、地域社会が赤リスを祝福し、自然との絆を取り戻すための計画を支援したいと考えており、保全に関連する空間の改善なども視野に入れています。
RSRNのプログラムマネージャーであるマイク・デンベリーは「子供たちに初めて赤リスを紹介するといった活動から、より大規模な生息地保護プロジェクトの実施に至るまで、自然保護に向けた行動を鼓舞する皆様のアイデアをぜひお聞かせください」と述べました。
赤リスが直面する絶滅の危機と背景
イギリス国内における赤リスの個体数は劇的に減少し、RSRNの推計によれば現在は約28万7千頭にとどまっています。動物福祉団体の「セーブ・アワー・レッズ」が5月に発表した見解では、カンブリア、ノーサンバーランド、ノース・ペニンズの各地にかろうじて生息しているものの、このままでは今後25年以内に姿を消してしまう可能性があると警告されています。
ナチュラル・イングランドによると、個体数激減の主な原因の一つは、1876年以降にアメリカやカナダから持ち込まれたハイイロリスが広めた「リス痘ウイルス」の存在です。このウイルスは赤リスにとってのみ致死的なものとなっています。さらに、「セーブ・アワー・レッズ」は、生息地の喪失や既存の保護規定における取り締まりの緩さも事態を悪化させている要因であると指摘しています。
世代を超えたコミュニティの関与
全英ヘリテージ・メモリアル基金(ナショナル・ロタリー・ヘリテージ・ファンド)からの資金提供を受けている本プロジェクトについて、RSRNのヘザー・ハリスは、赤リスが私たちの文化遺産にとってなぜそれほど重要であるのかを人々に思い出させることを目的としていると述べています。
「赤リスの記憶がある年配の方々はもちろんのこと、自然に触れる機会が少なかったり、赤リスを見た経験がなかったりする若い世代の方々からも、ぜひお話を聞かせていただきたいと思っています」
ヘザー・ハリス、RSRN
RSRNは、多様な背景を持つ人々を巻き込みながら、地域住民が一体となって自然保護に向けた行動を起こすきっかけを作ることを目指しています。
この助成金制度は、単なる野生生物保護にとどまらず、地域コミュニティが自然と再接続し、環境問題への当事者意識を持つためのプラットフォームとしての役割が期待されています。