ペンシルベニア州の保健当局は2026年10月12日、ここ数十年間で全米最大の規模となっている麻疹(はしか)の流行に関連し、6人目の死者が確認されたと発表した。最新の死者は、フランクリン郡に住む基礎疾患のある39歳の女性で、ワクチン未接種だった。全米の麻疹確定症例数は4080例を超えている。
ペンシルベニア州フランクリン郡での6例目の死亡例
ペンシルベニア州保健当局の発表によると、同州の麻疹アウトブレイクにおいて6人目となる死亡例が確認された。フランクリン郡で亡くなったのは39歳の女性で、複数の基礎疾患があり、最近麻疹の検査で陽性反応を示していたという。2026年10月10日土曜日に死亡した女性はワクチンを接種していなかった。この女性の死は、州保健当局が定める麻疹による死亡の定義を満たしているとされている。これまでに、同州のアウトブレイクでは乳児、6週間の乳児、18歳、20歳、40歳の計5名が死亡しており、いずれもワクチン未接種であった。州保健当局によると、今年の同州における麻疹感染者数は1,136人に達しており、そのうち1,124人が現在のアウトブレイクに関連している。アウトブレイクは州内の67郡のうち41郡にまで広がっており、これまでに218人が入院した。
全米で4,080件を超える感染と連邦・州間の死亡者数カウントの相違
全米における今年の麻疹累積感染者数は4,080人に達し、これは1991年以来最多の数字である。この状況を受け、米国が2000年に達成した「麻疹排除国」としての地位を維持できるかどうかが、11月に開催される汎米保健機構(PAHO)の専門家会議で審議される予定である。一方で、死亡者数のカウントを巡り、ペンシルベニア州と連邦保健当局の間で議論が生じている。ペンシルベニア州は、麻疹の臨床検査で陽性となり、症状発現から30日以内に死亡したケースを麻疹関連死とみなしている。しかし、ロバート・F・ケネディ・ジュニア保健福祉長官が率いるCDCは、当初報告された死亡例をデータベースから除外するなど、州側の数字をすべては認めていない。州側は、CDCの支援要請を取り下げる可能性を示唆し、死亡例の認定を求めている。
感染拡大の背景と医療現場への影響
麻疹は空気感染する極めて感染力の強いウィルスであり、医療専門家からは強い懸念の声が上がっている。メイオクリニックのロバート・ジャクソン医師は、「私たちが知る中で最も感染力の強いウィルスであり、これに類する他のウイルス感染症はありません」と指摘している。ジャクソン医師によれば、感染者は症状が現れる数日前から呼吸器飛沫を介して周囲にウィルスを撒き散らしているという。また、アレゲニー郡保健局の医療部長であるジリアン・アーウィン医師は、感染から症状が出るまで7日から21日かかると説明する。アーウィン医師は、ワクチン未接種の場合、10人中9人が感染する恐れがあり、そのうち5人に1人が入院を要する状況になると警告している。さらに、今回の流行では少なくとも50人の妊婦も感染しており、小児科学アカデミー(AAP)は先天性麻疹のリスクについて新たなガイドラインを発表した。専門家は、麻疹の予防には2回のMMRワクチン接種が有効であり、接種率を95%以上の水準まで高めることが集団免疫を維持するために不可欠であると強調している。健康上の不安や麻疹の症状に関する懸念がある場合は、速やかに医療専門家に相談することが推奨される。
