米国防省のピート・ヘグセス国防長官による新たなテストステロン検査プログラムの全容
米国防省のピート・ヘグセス国防長官は2026年7月15日、軍におけるテストステロン欠乏症の新たなスクリーニングプログラムを導入すると発表した。この政策は、30歳以上の軍人を対象に、定期的な健康診断の一環として毎年テストステロンレベルを検査することを義務付けるものである。30歳未満の軍人については、希望者が任意で検査を受けることができる。
ヘグセス長官は、この新方針の目的について、兵士が「絶対的なベスト(absolute best)」の状態で任務を遂行できるようにするためであると説明している。SNSに投稿された動画の中で、ヘグセス長官は「現代の戦場は過酷で容赦がない。最大限の心理的・精神的な即応性が求められる」と述べた。さらに同長官は、「こうした健康指標に早期に対処することで、兵士を常に最前線に立たせ、この国に捧げてくれているのと同等の最高のサポートを提供する」と強調した。

国防省によると、テストステロンのレベルを向上させることは、エネルギーの増大、筋肉の発達改善、骨の強化につながる可能性があるという。特に、過酷な任務を担う特殊作戦部隊において、テストステロンの低下は懸念事項とされてきた。ヘグセス長官は、加齢に伴いテストステロンレベルが自然に低下することは「十分に確立された事実」であるとした上で、本プログラムは「世界クラスの医療専門家の監督下」で実施されると説明した。なお、テストステロン補充療法を受けるかどうかの判断は、サービスメンバー本人の意志に委ねられる自発的なものとなる。
専門家および政界からの反応
今回の政策発表を受け、専門家からも意見が上がっている。退役軍人であり救急医でもあるジョシュ・マコンキー博士は、「テストステロンは時に過剰診断されることがある」と指摘しつつも、「軍が一般的なスクリーニングを行うことで、実際に治療が必要かどうかを判断する上で、より適切な対応が可能になるだろう」と述べた。
一方で、このプログラムは政界で議論を呼んでいる。民主党のアダム・シフ上院議員(カリフォルニア州選出)やメイジー・ヒロノ上院議員(ハワイ州選出)らは、SNS上でこの計画を槍玉に挙げた。シフ議員は「ピート・ヘグセスがジェンダー肯定医療を支持している」と投稿し、ヒロノ議員も「国防省は今やジェンダー肯定医療を推進しているのか?」と疑問を呈するなど、今回のテストステロン検査と治療計画を、性別移行を目的とした「ジェンダー肯定医療」になぞらえて批判した。

こうした民主党議員らの投稿に対し、保守派のコメンテーターらからは即座に反発の声が上がった。一部の報道では、今回の動きは「Tワード(テストステロン)」から「ハイT(高テストステロン)」へと軍の体質を転換させるための「自然な能力を最適化する」試みであると評価されている。国防省の公式発表やヘグセス長官の声明では、このプログラムが「戦士の精神(warrior ethos)」を体現するものであるとされており、今後、軍の医療体制においてどのように運用が進められるかが注目されている。なお、国防省が具体的な治療費を負担するかどうかについては、現時点で明言されていない。
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