ブラジル大統領選挙は、新興工業都市オザスクなどの労働者層の構成や関心の変化によって激変しています。2022年にルラ現大統領を支持した同自治体は、今月上旬の第1回投票で右派のフラビオ・ボルソナロ候補に支持を切り替えました。
オザスクとブラジルの変化する労働者層
サンパウロ近郊に位置する広大な元工業都市オザスクでは、かつての工場が姿を消し、ショッピングモールやデリバリーアプリのテック企業へと取って代わられ、現在ではサンパウロの「シリコンバレー」と称されています。金属、化学、繊維工場は消滅し、5つのショッピングモールが建設されました。
この劇的な変化は、ブラジル全土の労働市場に波及しています。かつての集団的な労働闘争を支えた工業労働者に代わり、ライドシェアの運転手、フードデリバリー、市場での小規模ビジネスなど、ギグエコノミーに従事する人々が急増しています。
ルラ大統領の支持基盤を揺るがす経済の現実
ルラ大統領の伝統的な支持層である金属労働者組合を率いるジルベルト・アルマザンは、労働運動が「中世」に取り残され、変化する現実に適応するのに苦労していると率直に語っています。労働者のプロファイルはもはや工業労働者ではなく、サービス労働者へと変貌しました。東北部で飢餓の中で育ち、金属労働者、組合指導者、そして3度の大統領となったルラの生い立ちを語る際には涙を流し、ルラの再選キャンペーンは有権者の離反によって妨げられてきたと指摘する中で、ジルベルト・アルマザンは不安を隠していません。

オザスクの有権者は、インフレや高い税金、生活費の高騰に対する経済的なフラストレーションを理由に、ルラ離れを進めています。一部の支持者は、具体的な政策というよりも「変化」を求めてフラビオ・ボルソナロ支持へ傾いています。第1回投票では、1998年以来の高水準となる3,300万人が投票を行わず、記録的な棄権率を記録しました。
1989年以降、第1回投票の勝者は全員大統領に選出されてきた歴史がある中、ボルソナロがその第1回投票を制し、両者は日曜日に行われる決選投票に臨みます。
貧困層やファベイラにおける異なる動向
一方で、ブラジルの最貧困層や大都市のファベイラでは、ルラの福祉政策や最低賃金の引き上げが依然として強く支持されています。リオデジャネイロ最大級のファベイラであるマレーでは、投票率が平均を下回ったものの、ルラは依然として支持を集めました。

住民の間では、ボルソナロが掲げる治安対策に対する懸念も根強く存在しています。マレーに暮らす18歳の母親ビトリアは、月収300ポンド未満で生活しながらルラ政府の政策を評価する一方、ボルソナロの治安方針に対して治安部隊の突入による被害を危惧しています。
教会と世論が形作る大統領選のゆくえ
さらに、労働者層の新たな受け皿となっているのが福音派教会です。サイラス・マラファイア牧師は、ジャイル・ボルソナロの結婚式で司式を務めた人物であり、フラビオ・ボルソナロが家族を重視し、ジェンダー「イデオロギー」や中絶に反対するという教会の価値観を共有していると主張しています。
今週末に迫った決選投票は、ルラが新たな連合を再構築できるのか、あるいはブラジルの労働市場と有権者の意識の変化が不可逆的なものとなったのかを示す試金石となります。