ブラジル大統領選の第1回投票が4日に行われ、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ大統領と、ドナルド・トランプ氏の盟友であるフラヴィオ・ボルソナロ上院議員が接戦を繰り広げている。過半数獲得には至らない見通しであり、10月25日の決選投票にもつれ込む可能性が極めて高い。
接戦の様相と世論調査の予測
今回の選挙は、ラテンアメリカ最大の経済大国であるブラジルの将来を左右する重要な試金石となっている。主要な世論調査ではルーラ氏がリードを保っているものの、いずれも当選に必要な過半数には達しておらず、フラヴィオ・ボルソナロ氏との決選投票が不可避との見方が大勢を占めている。Newsweekが報じたMDAの調査では、9月30日から10月2日にかけて2,007人を対象に実施され、誤差は2.2ポイントであった。世論調査ではルーラ氏とボルソナロ氏が接戦を繰り広げていることが示されている。.
専門家は、過去の選挙結果を踏まえ、世論調査が右派の支持を過小評価している可能性を指摘している。チャタム・ハウスのシニアフェロー、クリストファー・サバティーニ氏は「2022年の選挙では、フラヴィオの父であるジャイール・ボルソナロ氏が世論調査を約10%上回る結果を出した」と述べた。また、大統領選以外の候補者として、作家で精神科医のアウグスト・クリー氏、ミッソン党のレナン・サントス氏、元ゴイアス州知事のロナウド・カイアド氏、元ミナスジェライス州知事のロメウ・ゼマ氏らが名を連ねているが、いずれも支持率は一桁にとどまっており、AtlasIntelの調査でサントス氏が最大4.6%を記録するにとどまった。
海外投票で分かれる支持傾向
海外に居住するブラジル人の投票結果が先行して報告されている。時差の関係で、アジアやオセアニアの国々から開票速報が届いた。各国の集計データによると、支持の傾向は明確に分かれている。
- ルーラ氏が優勢な国:ニュージーランド(70.48%)、中国(65.69%)、オーストラリア(56.11%)、韓国(56.94%)などで勝利を収めた。
これらの統計は暫定的なものであり、ブラジル選挙高等裁判所(TSE)が発表する公式な全国集計とは異なる点に注意が必要である。

候補者の言動と「ボカ・デ・ウルナ」を巡る議論
投票当日、ルーラ氏とフラヴィオ・ボルソナロ氏の両候補が投票所であるサンベルナルド・ド・カンポとリオデジャネイロでそれぞれインタビューに応じた際、インターネット上で「ボカ・デ・ウルナ(投票所付近での違法な勧誘行為)」に該当するのではないかとの議論が巻き起こった。フラヴィオ・ボルソナロ上院議員は「今すぐ第1回投票で、フラヴィオ・ボルソナロに信頼の一票を投じてほしい」と述べた。一方、ルーラ大統領は「投票箱の前に立ったら、ラッキーナンバーである13を忘れないでほしい」と発言した。
「注意すべき点は、投票当日は候補者のいかなる発言も重みを増し、慎重に分析する必要があるということです。しかし、基準を公平に適用するならば、ルーラ大統領を含めた他の候補者の同様の言動と照らし合わせることなく、フラヴィオ氏の発言だけを切り離して扱うことは困難です」
ルアン・スペランディオ、ランキング・ドス・ポリティコス運営ディレクター
今後の選挙日程と議会の構成
今回の選挙では、大統領選に加えて、513名の連邦下院議員全員と、上院の81議席のうち54議席(3分の2)の改選も行われる。現在、上院で最大勢力を誇るのはフラヴィオ・ボルソナロ氏が所属する自由党(PL)であり、ルーラ政権で連立与党を務めた社会民主党(PSD)がこれに続いている。この議会構成は2027年2月以降の動向を決定づける重要な要素となる。
大統領選において有効投票の過半数を得る候補がいなかった場合、上位2名による決選投票が10月25日に実施される。ブラジルでは2002年以降、すべての大統領選が決選投票にもつれ込んでおり、今回もその公算が高い。公式な開票結果は、ブラジリア時間午後5時の投票終了後、数時間以内に明らかになる見通しだ。