ショーン・“ディディ”・コムズは、ニュージャージー州のフォート・ディクス連邦刑務所(FCI Fort Dix)で50か月の禁錮刑に服している最中、刑務所内での「VIP」のような贅沢な生活が報じられ、特別保護ユニット(SHU)、いわゆる独房へ移送されました。NBC Newsの調査報道により、彼が禁止されている携帯電話を使用し、他の受刑者に炊事や洗濯、さらには中国式のマッサージをさせていた実態が明らかになりました。コムズ側の弁護団はこれらの報道を「日常的な刑務所生活をニュースに仕立て上げている」として過剰な監視であると反論していますが、当局による調査は現在も進行中です。
フォート・ディクスでの収監生活と特別保護ユニットへの移送
ニュージャージー州のフォート・ディクス連邦刑務所は、約4,000人の受刑者を収容する低セキュリティ施設ですが、コムズの収監生活は他の受刑者とは一線を画すものでした。NBC Newsの取材に応じた、コムズと同一ユニットで過ごした4人の受刑者は、彼が刑務所内で「まるで自分の所有物のように」振る舞っていたと証言しています。この証言に基づき、コムズはベッドメイキングから洗濯、掃除に至るまで、他の受刑者たちを私設スタッフとして使役していました。
こうした贅沢な生活の裏側には、金銭による支配がありました。関係者によれば、コムズは外部のコネクションを通じて、自身の世話を焼く受刑者たちのコミッサリー口座に毎月数千ドルを送金していたとされています。この特別待遇が報じられた直後、コムズは独房へと移送されました。彼が独房に入れられるのはこれが初めてではなく、2025年7月にも他の受刑者との喧嘩が原因で、一時的に隔離された経緯があります。

内部告発が明かす「刑務所内の特権」
匿名の受刑者たちがNBC Newsに語ったところによると、コムズの収監生活は「普通ではない」ものでした。彼らは、コムズがカレーチキンやピザ、エンパナーダといった特別な料理を調理させ、さらには中国式のマッサージまで受けていたと明かしています。「彼は億万長者であり、他の受刑者たちは彼に畏敬の念を抱いている。刑務所内においても、金は力そのものだ」と一人の受刑者は語りました。
さらに深刻な懸念として、コムズが contraband(禁制品)である携帯電話を所持していたことが挙げられます。NBC Newsが確認した映像には、コムズが刑務所内で携帯電話を使用している様子が捉えられていました。この携帯電話を通じて、彼はInstagramを閲覧したり、元恋人から送られてくる過激な写真をチェックしたりしていたと報じられています。また、週末には看守によって密輸されたヘネシー(Hennessy)などの高級酒を、親しい受刑者グループと共有する「秘密のパーティー」も行われていました。
NBC Newsの取材に対し、ある受刑者は「これは刑務所で目にするような普通のクソみたいな話じゃない。金持ち特有のクソみたいな話だ。狂っているように見えるが、繰り返すようだが、相手はディディなんだ」と語った。
代理人の反論と司法の動向
コムズの広報担当者は、こうした報道に対して強い不快感を示しています。「ショーン・コムズの刑務所生活における細かな詳細を執拗に監視するメディアの姿勢は、日常的な光景をニュースとして誇張する域に達している」と述べ、彼が規則に従って服役中であり、自身の控訴審の結果を冷静に待っていると強調しました。

しかし、司法当局の対応は厳格です。コムズの出所日は、これまでに何度か変動しており、当初の2028年6月から短縮され、現在は2028年1月21日とされています。今回の内部告発や禁制品の所持が事実であれば、さらなる制裁や出所日の再延期が検討される可能性が浮上しています。連邦刑務所局の広報担当者は、個別の受刑者の状況についてコメントを拒否したものの、携帯電話や麻薬といった禁制品の流入は、全施設において常に阻止すべき喫緊の課題であると述べています。
背景と今後の展望
コムズは、売春目的での州間移動を禁じたマン法(Mann Act)違反で有罪判決を受け、50か月の禁錮刑に服しています。2025年7月の判決では、より重い罪状である恐喝共謀や人身売買については無罪となっており、コムズ側は現在、判決に対する控訴手続きを進めています。また、かつて彼が「Rikers Island jail(ライカーズ島刑務所)」での生活を「住める環境ではない」と主張していたこともあり、今回のフォート・ディクスにおける「特権的な生活」との対比が、世間の注目をさらに集めています。

現在、コムズは独房で制限された生活を送っており、移動も制限され、外部との接触も最小限に抑えられています。彼がかつて周囲の受刑者たちに約束していたとされる出所後の報酬やパーティーへの招待が、今回の独房入りによってどう変化するのかは不透明です。一方で、彼を批判してきたオーブリー・オデイのような著名人からは、彼が受けているとされる「厚遇」に対して批判が相次いでおり、コムズの出所後の影響力や周囲の反応についても、議論が続いています。