カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は10月17日、ニューハンプシャー州エクセターなどで民主党候補の選挙支援キャンペーンを行った。2028年の大統領選への出馬が取り沙汰される中、同知事は中間選挙に向けた民主党の結束を呼びかけたが、州内の民主党関係者からは同知事の影響力に疑問を呈する声も上がっている。
エクセターでの演説と選挙戦の現状
ギャビン・ニューサム知事は10月17日、エクセターのタウンホールで数百人の支持者を前に演説し、11月3日の中間選挙に向けて民主党が火には火で対抗しなければならない
と訴えた。ニューサム氏は” もし今年、我々が立ち上がらなければ、この共和国を失うことになる “と危機感を強調した。このタウンホールは、かつてピート・ブティジェッジ氏やニッキー・ヘイリー氏、マイク・ペンス氏らが登壇したことのある舞台でもあり、ニューサム氏の訪問は2028年の大統領選に向けた動きという観測を呼んでいる。
一方で、共和党側はニューサム氏の訪問を厳しく批判した。ニューハンプシャー州共和党委員会のスコット・モルツィー委員長は、この集会を「民主党が社会主義的なアジェンダを隠し、増税を強行しようとするためのパフォーマンスだ」と断じた。また、上院選でクリス・パパス候補と争うジョン・スヌヌ氏の陣営は、パパス氏を「カリフォルニアのクリス」と呼び、スポークスマンのマイク・シュリンプ氏は「カリフォルニアにはすでに2人の上院議員がいる。ニューハンプシャーから3人目を出す必要はない」と声明を発表した。
ニューハンプシャー州におけるニューサム氏の影響力
ニューサム氏の今回の訪問は、ナシュア、エクセター、コンコード、マンチェスターを回るもので、連邦上院選のクリス・パパス氏、連邦下院選のステファニー・シャヒーン氏、知事選のシンデ・ワーミントン氏らの支援を目的としている。同知事の陣営は、今回の選挙サイクルでニューハンプシャー州の民主党候補に対し、2万3,500件を超える寄付を通じて52万6,000ドル以上の資金を投じたことを強調している。全米規模では、ニューサム氏の陣営は650万ドル以上を民主党のために調達したとしている。
しかし、州内の民主党関係者からは慎重な見方も出ている。元下院議員のアンニー・クスター氏は、ニューサム氏について「フラッシー(派手)だ」と評し、「どうすれば人々を惹きつけられるのか、私には分からない」
と語った。クスター氏は、カリフォルニア州知事としての経歴が、ニューハンプシャー州の有権者が抱える生活費の高騰や、ワシントンの腐敗といった問題の解決にどう直結するのか疑問を呈した。

ワーミントン候補への支援と政策的姿勢
ナシュアでのキャンペーンでは、民主党知事候補シンデ・ワーミントン氏への支援が強調された。ワーミントン氏のキャンペーンは、民主党知事協会(DGA)からの資金援助が得られないなど苦戦が伝えられているが、ニューサム氏は同氏に対し「シンデは物事を理解しており、やり遂げる」
とエールを送った。ニューサム氏はDGAの政策委員長として、民主党が州レベルの選挙戦を軽視してきたと指摘しており、共和党がかつて州議会の主導権を握るために多額の資金を投じてきた戦略を引用し、「もう少し冷徹になる必要がある」と語った。
2028年大統領選に向けた思惑と今後の展望
ニューサム氏の度重なるニューハンプシャー州訪問は、2028年の大統領選を巡る思惑と切り離せない。2026年に入ってからも、ニューサム氏は自身の回顧録『Young Man in a Hurry: A Memoir of Discovery』の宣伝ツアーで同州を訪れているほか、ダボス会議やミュンヘン安全保障会議、ロンドンへの訪問など国際的な活動も行っている。ロンドン訪問時には英国とクリーンエネルギー協定を締結しており、その渡航費用や宿泊費など約5万7,000ドルは、富裕層や企業から資金提供を受ける「カリフォルニア州プロトコル財団」によって賄われた。

ニューサム氏は、カマラ・ハリス副大統領が3回目の大統領選出馬を決断した場合には挑戦しないと明言しているが、自身の将来については否定していない。ニューサム氏はFox News Digitalに対し、ニューハンプシャー州の歴史的な大統領予備選への想いを語り、「もし招待されれば、また戻ってきたい」と意欲を見せた。なお、エクセターのタウンホールにはデブラ・アルトシラー氏や、州下院民主党リーダーのアレクシス・シンプソン氏らも駆けつけ、ニューサム氏とともに党の結束をアピールした。