ドナルド・トランプ大統領は2026年10月17日、ケンタッキー州ハイランドハイツのノーザンケンタッキー大学トゥリスト・アリーナで選挙集会を開催しました。トランプ氏は中間選挙での共和党勝利を条件に、同州ウィンチェスターの製薬施設へ1億ドルを投資する計画を表明しました。集会では、自身の政権の権限について「信じられないようなことができる」と強調しました。
ケンタッキー州への1億ドルの投資計画
トランプ氏は、もし共和党が勝利すれば「国防省が製薬会社アンテイア(Antheia)に1億ドルを投資し、ケンタッキー州ウィンチェスターの巨大な医薬品製造施設を活性化させるだろう」と述べました。トランプ氏は、もし民主党が勝利した場合にはこの投資は実現しないだろうと主張し、「彼らには何ができるのか理解すらできないだろう」と語りました。この投資発表について、国防省や共和党の上院候補であるアンディ・バー氏の陣営からは、即座のコメントは得られていません。
またトランプ氏は、ケンタッキー州におけるその他の産業投資にも触れ、GEアプライアンスとIUE-CWAによる10億ドルの投資により、ルイビルのアプライアンス・パークが米国内で最大の家庭用電化製品製造拠点になると述べました。.

トランプ氏が語った「信じられないような」権限
集会の中でトランプ氏は、自身の政権の強力さをアピールしました。同氏は、政府がメキシコ湾を「アメリカ湾」と呼称するように変更した決定に触れ、「私は信じられないようなことができる」と語りました。「最初の任期ではできなかっただろう。今回ははるかに強力な任期だ」と述べ、かつては電話に応じなかったGoogleも現在は態度を変えたと主張しました。さらに、カナダのオンタリオ湖を「アメリカ湖」と改称したことにも言及しています。
トランプ氏のこの発言は、インフレやイランとの紛争を巡る価格高騰に対する有権者の懸念や、政権が国益よりも自己の利益を優先しているという批判を背景に繰り広げられました。政権の行動としては、自身の個人弁護士を司法長官に指名したことや、麻薬密輸船への軍事攻撃、ケネディ・センターへの自身の名前の刻印を試みていることなどが挙げられています。
Trump: "If the Republicans win, the Department of War will be investing $100 million in the pharmaceutical company Anthea to revitalize a gigantic drug manufacturing facility in Winchester, Kentucky" pic.twitter.com/WfmT78y6hm
— https://x.com/atrupar/status/2111534335148875985
共和党候補の支援と中間選挙の争点
今回の集会は、11月3日の中間選挙に向けて共和党候補を勢いづける目的で開催されました。トランプ氏は、上院候補のアンディ・バー氏や、下院第4選挙区の候補者エド・ガレイン氏を壇上に招き、支持を訴えました。ガレイン氏は、トランプ氏が予備選で「不適合者」と呼んだ現職のトーマス・マッシー氏を破るために支持した人物です。バー氏は、現職のミッチ・マコーネル上院議員の引退に伴い、民主党のチャールズ・ブッカー氏と議席を争っています。
トランプ氏は演説の中で、共和党が上下両院で勝利すれば、すべての成人アメリカ人に5,000ドルの配当を支給するという公約を再確認しました。この提案は経済の「成功」を理由に掲げられていますが、専門家からは1兆ドルを超える費用がかかり、議会の承認が必要であるという指摘がなされています。

集会には多数の支持者が詰めかけましたが、会場のトゥリスト・アリーナには空席も目立ちました。また、会場では抗議者1名が排除される場面もありました。トランプ氏は、抗議者に対して「母親のもとに帰らせろ」と述べ、彼らを「金で雇われた抗議者」だと主張しました。
市民の反応と社会的分断
会場の外では、経済問題やインフレ、ガソリン価格の高騰を懸念する抗議者グループが声を上げました。一方で、支持者からは「トランプ氏が家族や愛する人たちのためにすべてを変えてくれた」といった声も聞かれました。民主党のブッカー候補は、トランプ氏の来訪を「レースが接戦であることの証明」と受け止め、政府が国民のために機能していないと訴えました。

ケンタッキー大学の政治学者スティーブン・ヴォス氏は、インフレやイラン情勢が全国の選挙戦に影響を与えていると指摘しています。トランプ氏の今回のケンタッキー訪問は、アラスカ、モンタナ、ジョージアといった各地を巡るキャンペーンの一環であり、共和党が上下両院の過半数を維持できるかどうかが問われる重要な局面となっています。