ソウル・光化門エリアで外国人観光客が急増している。ソウル市のデータによると、今年3月から8月までの訪問者数は約562万人に達し、前年同期比で30.4%増加した。Kポップの聖地として注目を集める中、周辺の飲食店や商業施設も多言語対応を進め、単なる通過点から観光の目的地へと変貌を遂げている。
外国人観光客数が過去最大規模に
ソウル市の移動通信ビッグデータ分析によると、世宗大路一帯を訪れた外国人観光客数は、今年3月から8月の期間で562万人に上った。これは前年同期の431万人から30.4%の大幅な増加となる。特に8月単月では104万人がこのエリアを訪れており、ソウル全体の観光客増加率を約8ポイント上回る勢いを見せている。文化体育観光部の推計でも、同時期のソウル全体の外国人観光客は前年比22%増の949万人となっており、光化門エリアへの集客が全体を牽引している状況が浮き彫りとなった。
Kカルチャーが牽引する「目的地の変化」
かつて光化門は、周辺の観光地へ向かうための経由地としての側面が強かった。しかし、現在ではBTSの公演などをきっかけに、Kカルチャーの聖地として目的地化が進んでいる。ニューヨーク・タイムズは光化門を「BTSの韓国的アイデンティティーを記念する空間」と評し、BBCやAP通信もその歴史的・文化的重要性を取り上げた。漢陽大観光学部のチョン・ランス兼任教授は、光化門が持つ歴史的資産や公共交通の利便性という伝統的なハードウエアに、Kポップという若く躍動感あるソフトウエアが重なったことで、滞在時間が大幅に伸びていると分析する。
飲食店が取り組む多言語対応とメニュー開発
急増する外国人客に対応するため、周辺の飲食店ではサービス形態の刷新が相次いでいる。開業7年目を迎える牛肉料理店「起承転牛」のキム・ミョンジン代表は、接客のために英語学校に通い始めた。また、飲食店「光化門クッパ」は先月、英語や中国語、スペイン語など15言語に対応したQRメニューを導入した。伝統酒専門店の「ペッコム・マッコリ」では、外国人観光客の好みを反映し、鶏もも肉をチヂミにアレンジしたり、ビーガン向けのメニューを開発したりするなど、国籍を問わない需要の取り込みに余念がない。
多様な文化体験を求める外国人旅行者
光化門を訪れる旅行者の楽しみ方は、単なる観光地巡りにとどまらない。ブラジル人観光客のベアトリス・サントスさんは、トリップアドバイザーの「BTSツアー」を利用してこの地を訪れた。また、韓国で活動するハンガリー出身のモデル、サボ・ガブリエラ・マリアさんは、光化門を「遊び場」と表現する。午前中の美術館巡りから、大韓民国歴史博物館の屋上庭園で眺める景観、さらには夕方の清渓川の散策まで、朝から晩まで光化門一帯で完結する滞在スタイルが定着している。早朝にコーヒーを飲みながらダンスを楽しむ「モーニングレイブ」などの新しい文化も生まれている。
ブランド協賛とイベントの活況
光化門エリアでは、グローバル企業によるイベント開催や広告展開も加速している。世宗文化会館では、ナイキやネットフリックス、ディズニーなどのブランドによる場所協賛が急増し、直近2年で協賛収入が8倍に拡大した。コリアナホテルの外壁電光掲示板には、BTS以降、ストレイキッズなど次世代Kポップスターの広告が掲出され続けている。さらに、ユ・ヨングクやダミアン・ハーストといった国内外の巨匠による展示会が集中するなど、文化コンテンツの質も向上している。今後も、Kカルチャーを軸とした多様なプロジェクトが集まることで、光化門の観光拠点としての地位はさらに強固なものになるとみられる。