トランプ米大統領は10日、テネシー州での選挙集会で、太平洋や大西洋の名称を「トランプ洋」や「アメリカ洋」などに改称する意向に言及した。テレビ朝日や中央日報などが報じた。
大西洋や太平洋の改称に言及
トランプ米大統領は10日、テネシー州クラークスビルで開かれた選挙集会で、「太平洋か大西洋を『トランプ洋』か『アメリカ洋』にする。私の任期が終わる前に、海と偉大な川を改称しなければならない」と述べた。中央日報によると、大統領は「我々には湾があり、美しい湖もある」「誰かが川も必要だと言っていた。我々には川が必要で、大洋も必要だ」と語り、「トランプ大洋」「アメリカ大洋」などの名称に言及したという。ただ、大西洋と太平洋のどちらを念頭に置いているかは明らかにしていない。
相次ぐ名称変更の経緯
トランプ政権では、地理的名称の変更が相次いでいる。大統領は昨年の就任直後に「メキシコ湾」の名称を「アメリカ湾」に変更する大統領令に署名した。さらに今年8月には、カナダとの国境にあるオンタリオ湖の名称を「アメリカ湖」へと直ちに変更するよう指示していた。先月にはニューメキシコ州の名称を「ニューアメリカ」に変更する提案も行っている。一方で、自身の出身地であるニューヨーク州を流れるハドソン川や、ミシシッピ川については、改称する考えがないことを示唆している。
ICC本体の制裁とノーベル平和賞
名称変更の動きと並行し、国際刑事機関(ICC)に対する措置も講じられている。トランプ政権はこれまでICCの赤根所長ら個人に資産凍結などの制裁を科してきたが、新たに「ICC本体」を制裁対象に指定した。この発表は、トランプ大統領が意欲を示してきたノーベル平和賞にICCの元判事が選ばれた直後に行われた。明海大学の小谷哲男教授は、テレビ朝日の番組内で「タイミング的にはそう言えるかもしれないが、“腹いせ”のための制裁ではない」との見方を示している。
ウクライナを巡る「勝手な停戦」発表
日本時間12日には、ウクライナ情勢に関する自身のSNS投稿が波紋を呼んだ。トランプ大統領は「ロシアとウクライナの戦争において、エネルギー関連施設への攻撃を停止することで双方が合意した」と投稿したが、当事者であるウクライナのゼレンスキー大統領はニュースサイト「アクシオス」のインタビューに対し「初耳だ」と答えている。小谷哲男教授は、ウクライナ側に相談することなく停戦が実現したと発表した背景について、米国内で軽油価格が上昇し農業・運送関係者から悲鳴が上がっていることを挙げた。ウクライナによるロシア製油施設への攻撃で世界全体の軽油供給量が減っているという見方から、ウクライナに対して製油施設への攻撃をやめるよう圧力をかける狙いがあると指摘されている。実際に、トランプ大統領の投稿後もウクライナ国内の発電所がロシアによる攻撃を受けており、今後の動向が注視されている。