保育料の減免を持ちかけ、23歳の女性に性的な見返りを要求したとして、栃木県小山市教委保育課の主事・西塚由貴容疑者が不同意わいせつ未遂の疑いで逮捕された。事件当日は有給休暇中で、面識のない女性の自宅を訪ねていたことが、集英社オンラインや弁護士ドットコムニュースの報道で分かっている。
保育料の減免を口実に自宅へ
栃木県警は10月7日、小山市教委保育課の主事である西塚由貴容疑者(30)を不同意わいせつ未遂の疑いで逮捕した。西塚容疑者は9月3日午後3時ごろ、小山市内に住む会社員女性(23)の自宅を訪問した。保育料の減免措置ができるなどと信じ込ませ、「私にも見返りがないとね」と被害者に身体を近づけて性行為を要求した疑いが持たれている。前日の9月2日にも女性に電話をかけ、「保育料が上がる」などと説明していたという。事件当日の3日には「保育料変更の件で面接したい」と告げて女性宅を訪れており、勤務時間外の有給休暇中だったと各媒体が伝えている。

事件当日に市側へ入った連絡
市側の対応について、集英社オンラインと弁護士ドットコムニュースの取材に対し、小山市役所の担当者が詳細を明らかにしている。事件当日の9月3日夕方、西塚容疑者本人から保育課へ「一般の方を訪問してトラブルになった」との電話連絡があった。同じ日の夕方には、被害者の方からも市へ連絡が寄せられていた。9月上旬には市職員と被害者が面会を実施し、市側は捜査機関への全面的な協力と、可能な限りの支援を伝えたという。市は非違事実の中身について、当初は報道を通じて初めて知ったと説明している。
有給休暇の継続と連絡の途絶
西塚容疑者は逮捕前日となる9月4日早朝、「体調が優れない」と市に連絡を入れた。その後は有給休暇を継続して取得し、職場には出勤していなかった。弁護士ドットコムニュースの取材によると、逮捕後も市の担当者は本人と接触が取れていない状態にあると話している。市役所では職員の出入りや勤務状況の管理が行われているものの、休暇中の職員が住民の自宅を訪問することは想定外であり、保育課の上司も当初は全く把握していなかった。
職員の権限では下げられない保育料
西塚容疑者は2018年に入庁し、2024年4月から同市教育委員会保育課に出向していた。保育料の算定や給付事業、副食費に関する業務を担当し、住民の所得状況などの個人情報を扱う立場にあった。しかし弁護士ドットコムニュースの取材に対し、市は「保育料は法令や条例上、利用者の所得状況などに応じて決まるとされており、職員の裁量や権限で下げられるものではない」と強調している。小山市のホームページによると、保育料は4月から8月までは前年度、9月から翌年3月までは当年度の市民税所得割額に基づいて決定される仕組みとなっており、事件があった9月はちょうど保育料が切り替わる時期にあたっていた。
面識のない女性の情報を得た経緯
西塚容疑者と被害女性の間には面識がなかったとされている。市側は、西塚容疑者が女性の氏名や住所、保育料に関する情報をどのように入手したのかについて「我々にもわからない」と回答している。また、過去に保護者から同様の相談や苦情が寄せられていたかについては、そうした事実は把握していないとした。市独自の調査については行わず、警察の捜査に全面的に協力する姿勢を示している。
今後の対応と市のコメント
事件を受け、小山市の浅野正富市長はコメントを発表した。市職員が逮捕されたことについて「極めて遺憾であり、心よりお詫び申し上げます」と述べ、詳細については警察の捜査中であるとしたうえで、市として捜査に全面的に協力する所存を示している。今後は警察による捜査の進展や事実関係の確認が行われた上で、市としての厳正な処分や対処が進められる見通しである。