ドナルド・トランプ米大統領は2026年8月10日、同年9月1日付でウィル・シャーフ大統領府スタッフセクレタリーを次期大統領法律顧問(ホワイトハウス・カウンセル)に起用すると発表した。シャーフ氏は大統領の法務チームとして数々の裁判を支えたほか、ホワイトハウスのボールルーム建設を巡る計画でも中心的役割を担ってきた。
ウィル・シャーフ氏の指名
ドナルド・トランプ大統領は日曜日の発表で、現職のデヴィッド・ウォリントン大統領法律顧問が民間部門へ移行することに伴い、後任としてウィル・シャーフ氏を指名した。シャーフ氏は2025年初頭から大統領府スタッフセクレタリーを務め、執務室に届く文書の管理や大統領の署名式における同席など、ホワイトハウスの中枢で露出を高めてきた人物である。政権発足以来の中枢スタッフの交代は、野党・民主党が議会奪還に向け攻勢を強める秋の中間選挙を間近に控えた重要な局面で行われることになった。
連邦最高裁での弁護実績と政権中枢での足跡
連邦最高裁での弁護実績
シャーフ氏はプリンストン大学とハーバード法科大学院を優秀な成績で卒業後、連邦控訴裁判所の判事の下で法務書記を務め、さらにセントルイスで連邦検察官として暴力犯罪の起訴などを担当した経歴を持つ。共和党の元ミズーリ州知事エリック・グレイトンズ氏の顧問も務めたほか、2024年にはミズーリ州の司法長官候補として選挙戦に挑んだ。

トランプ氏との関係は、2023年10月に法務チームへ加わったことから本格化した。シャーフ氏は特別検察官ジャック・スミス氏が提起した連邦選挙干渉事件などの弁護を担当し、大統領の公的職務に関する免責特権を認めた連邦最高裁判所の歴史的な判断を導いた法廷闘争チームの一員として活動した。第1次トランプ政権時代にも、連邦最高裁判所のブレット・カヴァーノ、エイミー・コニー・バレット両判事らの指名・承認プロセスにおいて重要な役割を果たしたと各メディアが伝えている。
「ウィルはタフで、強靭で、スマートだ! 我々の国を深く愛し、法を敬っている。ウィル・シャーフはホワイトハウス・カウンセルとして素晴らしい仕事をするだろう!」 ドナルド・トランプ米大統領、Truth Socialへの投稿にて
ホワイトハウスのボールルーム計画と法的摩擦
ホワイトハウスのボールルーム計画
しかし、このインフラ計画を巡る法的な対立は根深い。連邦控訴裁判所が議会の承認を欠いているとして地上の建設工事を停止するよう命じる判断を下し、トランプ政権側は連邦最高裁へ上訴する構えを見せている。シャーフ氏は以前から、計画委員会の権限は建設そのものには及ぶものの、その前段階の取り壊しには及ぶとの立場を維持してきた。大統領法律顧問への就任により、こうした政権の権限拡大や係争案件を巡る法的防衛の最前線で、シャーフ氏が一段と重い責務を担うことになる。

前任者ウォリントン氏の退任と政権法務陣容の再編
デヴィッド・ウォリントン氏の退任
シャーフ氏に引き継ぐデヴィッド・ウォリントン氏は、大統領の個人的な法律顧問や2024年の選挙戦の法務顧問を経て、第2次政権の開始とともにカウンセルに就任していた。ウォリントン氏は非常大権の行使や関税政策、さらにはカタールから寄贈されたボーイング747型機の受け入れを巡る法的な道筋をつけるなど、政権の権限行使を支える中核人物であった。