ミシガン州の名門芸術学校「インターローケン・センター・フォー・ザ・アーツ」の独立調査報告書により、1950年代から2010年代にかけて約50人の関係者による約70件もの性的虐待の申し立てが明るみに出ました。被害者である元生徒らが長年の沈黙を破り、組織的な管理体制の不備を告発しています。
インテルロヘン・センター・フォー・ザ・アーツの独立調査が暴いた数々の性的虐待
ミシガン州に位置し、芸術を志す若者たちにとって憧れの場であった寄宿学校兼サマーキャンプ「インターローケン・センター・フォー・ザ・アーツ」は、数々の著名なパフォーマーを輩出してきたことで知られています。しかし、同校が2024年にサングハヴィ法律事務所に依頼して実施した独立調査により、その輝かしい表の顔とは裏腹に、数十年にわたる深刻な性的虐待の実態が明らかになりました。
被害者が語る孤立した環境と心理的支配の実態
2005年に同校のバレエ教師から性的虐待を受けたポール・ブッシュは、当時16歳でした。オハイオ州デイトンのバレエスタジオからスカウトされ、部分奨学金を得て寄宿生となった彼は、憧れの舞台で自身の存在価値を証明したいという強い思いを抱いていました。
「自分の存在価値を証明したいという思いが強かったのです。自分が十分であり、愛される価値があるのだと証明したかったのです。」
ポール・ブッシュ、元生徒
ジェフリー・エプスタインとギレーヌ・マックスウェルによるキャンパスの利用
独立調査報告書は、教職員による虐待にとどまらず、すでに故人となっている性犯罪者のジェフリー・エプスタインが同校の卒業生および有力な寄付者であった事実にも踏み込んでいます。調査では、エプスタインとその共犯者であるギレーヌ・マックスウェルが、芸術支援を隠れ蓑にしてキャンパスを利用し、若年層の十代の若者たちを積極的に勧誘していたことが正式に確認されました。
富裕層や支援者に対して、厳格な身元調査や監視プロトコルなしにキャンパスへの自由な立ち入りを認めていた学校側の姿勢は、重大な管理義務違反であったと批判されています。
学校側の対応と被害者による「ケース・クローズ」の拒絶
報告書の公開に伴い、学校側はコミュニティ宛ての書簡を発表し、現在の運営体制は「この報告書に描かれた機関とは根本的に異なる」と主張しています。さらに、スクールカウンセラーやソーシャルワーカー、心理学者からなる専門チームの配置など、生徒を保護するための新たな安全対策を講じたことを明らかにしました。
しかし、こうした学校側の対応に対して、被害者からは強い反発の声が上がっています。ブッシュは、学校側が事態の収束を図ろうとしている姿勢に納得していません。
「彼らは『一件落着だ』と言うことができます。しかし、それは全く受け入れられません。なぜなら、私の人生は今もなお開いたままなのですから。」
ポール・ブッシュ、元生徒