米国のドナルド・トランプ大統領は10月8日、SNS「Truth Social」上で「Artificial Intelligence(人工知能)」という用語を使用する者を「敵」と見なすと投稿した。政府公式サイト「AI.gov」でも名称変更が進むなど、連邦政府を挙げて「Super Intelligence(超知能)」への呼称統一が強行されている。
「AI」使用者を敵視するトランプ大統領の声明
ドナルド・トランプ米大統領は10月8日(現地時間)、自身のSNS「Truth Social」において、「Artificial Intelligence」という言葉を使う者は誰であれ「敵」(THE ENEMY)と見なすと投稿した。投稿では「敵」という単語を全て大文字で強調している。ITmediaの報道によると、この宣言に対し、具体的にどのような措置が取られるのかについては現時点で説明がない。トランプ氏は9月19日にも、従来の呼称は不正確であるとして、代替案の投票を呼び掛けるなど、用語の変更を強く求めていた。
政府公式サイト「AI.gov」で進む呼称の書き換え
連邦政府のAI政策サイト「AI.gov」では、10月9日時点でロゴ表記が「SI GOV」へと切り替わっている。9月29日にトランプ氏が署名した「Inaugurating the Era of Super Intelligence(超知能時代の幕開け)」と題する大統領令に基づき、サイト内でも「SI」という呼称が採用された。しかし、全ての表記が統一されたわけではない。URLは「ai.gov」のまま維持されており、ページタイトルや一部のリンク名、「AI Education」などの表記には依然として「artificial intelligence」の文字が残っている。
大統領令による「SI」への強制的な移行
トランプ氏は、9月22日の国連総会における一般討論演説で、今後は「Super Intelligence(SI)」という用語を使用すると正式に表明した。これに先立ち、9月25日に公開された習近平国家主席との会談に関するファクトシートでも、両首脳がこの呼称を用いることで合意したと記されている。トランプ氏は9月29日、連邦政府の行政機関に対し、公式文書やWebサイトでの「AI」から「SI」への変更を命じる大統領令に署名した。ただし、既存の契約や過去の規則については書き換えを不要としている。
「Super Intelligence Force」の創設と民間への波及
トランプ氏は9月29日、連邦政府の行政機関に対し、公式な書簡や広報、Webサイト、報告書などで「AI」の代わりに「SI」を使うよう命じる大統領令に署名した。同令では既存の規則や契約などの過去の文書は書き換える必要はないとしている。また、10月4日にはSI分野の連邦政府の取り組みを調整する新組織「Super Intelligence Force」(SIF)の創設が発表された。

今後、連邦政府の各行政機関における表記の全面的な切り替えがどこまで進むのか、また「敵」と名指しされた用語の使用に対して、政府がどのような実効的な措置を講じるのかが注目される。現時点では、URLや一部の記述といった技術的な残存課題が残されており、完全な呼称移行にはまだ時間を要する見通しだ。