アメリカのドナルド・トランプ大統領が5日に中西部ネブラスカ州で行った支持者集会での発言をめぐり、ホワイトハウスが6日に強い調子で擁護に回った。トランプ氏はイランがカリフォルニア州のロサンゼルスとサンディエゴを「壊滅させる」可能性があると述べ、カリフォルニア州の政治家が激しく反発している。
カリフォルニア州知事と地元市長による猛反発
カリフォルニア州のギャヴィン・ニューサム知事は6日、トランプ氏の発言を「狂っていて危険」なものだと非難した。ニューサム知事は、この発言が「外国勢力がカリフォルニア州を標的にするよう促すものと解釈した場合に備え、状況を監視する」よう州の脅威評価センターに指示したと発表している。また、サンディエゴ市のトッド・グロリア市長は自身のXアカウントに、「サンディエゴは巻き添えになってしかるべきものではない。我々は消耗品ではない」と投稿し、無謀な戦争話に街を巻き込まないよう強く反発した。ロサンゼルス市のキャレン・バス市長も、大統領の発言は脅しであり、「アメリカ人の命を奪う攻撃を助長」しようとするものだと述べている。
ホワイトハウスによる釈明とメディア批判
ホワイトハウスのスティーヴン・チャン広報部長は6日、Xへの投稿でトランプ氏の発言に対する「メディアのパニック」は「現実に基づいたものではない」と反論した。AP通信によると、ホワイトハウスは、イランに米国の都市を攻撃させたいと示唆したわけではなく、テヘランにそのような能力を持たせないようにすることを望んでいるのだと説明している。チャン氏は、もしイランの核保有を阻止していなければ、アメリカの都市が脅かされていたはずだと大統領が述べていたのは明らかだと強調した。ホワイトハウスの迅速対応アカウントも、ロサンゼルスとサンディエゴを核兵器で壊滅させる能力をイランが持たないようにするためアメリカは戦っているのだと主張し、ニューサム知事らの見方を否定している。
共和党内からも出た異論の声
一方で、一連の発言や政権側の説明をめぐっては、与党・共和党の候補者からも異なる意見が示されている。AP通信の報道によると、サンディエゴの共和党公認候補であるジム・デズモンド氏は、「いかなるアメリカ人の家族も、戦果の副産物として扱われるべきではない」と述べた。海軍の退役軍人として米国民を守るために軍務に就いたのであって、戦争の代償として米国の都市を切り捨てても構わないなどと考えるためではないと、自身の見解を示している。
過去の対立と今後の動向
トランプ氏と、2028年の米大統領選に出馬する可能性のあるニューサム知事が公の場で対立するのは今回が初めてではない。トランプ氏は昨年、ロサンゼルスでの移民取り締まりに抗議するデモの対応をめぐってニューサム氏を無能だと批判し、今年初めには知事のディスレクシアを嘲笑する発言を行っていた。これに対しニューサム知事は連邦政府の建物の警備に軍関係者が派遣されたことを権力乱用と非難するなど、両者の対立は長引いている。現時点でトランプ氏は、カリフォルニア州の指導者たちからの新たな批判に対して反応を示しておらず、安全保障政策や地域防衛をめぐる議論の行方が注目されている。