トランプ米大統領は3日、夏時間の通年化法案を巡り、反対する共和党のトム・コットン上院議員の携帯電話番号を自身のSNSに投稿した。法案成立を求め、地元アーカンソー州の住民らに電話をかけるよう呼びかけたことが、cnn.co.jpやロイターなどの報道で明らかになった。
トランプ大統領が夏時間の通年化法案を巡り上院議員の電話番号を公開
トランプ米大統領は3日、自身が推進する夏時間(サマータイム)の通年化法案の成立を阻んでいるとして、共和党のトム・コットン上院議員(アーカンソー州選出)をSNSで激しく非難した。一連の投稿の中でコットン氏の携帯電話番号を公開し、法案を支持するよう有権者に直接電話をかけるよう促したと、cnn.co.jpが報じた。ロイターによると、トランプ氏はホワイトハウスで記者団の取材に応じた際にも、約5分のうち半分以上を時刻の切り替えについての説明に費やしている。
法案の狙いと与党内での激しい意見対立
トランプ氏が支持する「サンシャイン・プロテクション法案」は、春と秋に時計を1時間ずつ進めたり戻したりする現在の制度を廃止し、夏時間を通年で採用する内容である。午後の日照時間を長くすることでスポーツ界や農家が恩恵を受け、犯罪の減少にもつながるとトランプ氏は主張している。これに対し、コットン氏はX(旧ツイッター)で「アーカンソーの住民は子どもたちが真っ暗な中で登校することを望んでいない。私は常にアーカンソーを第一に考える」と反論し、冬季の日の出が極端に遅くなることへの懸念を示した。ロイターの取材に対し、共和党のジョン・ケネディ上院議員も今週、法案は「とっくに死んでいる」との見方を示しており、党内の一致団結には程遠い状況となっている。
公開された電話番号の現状とセキュリティ上の懸念
cnn.co.jpがトランプ氏の投稿した番号に実際に電話をかけたところ、留守番電話はすでにいっぱいになっており、その後は自動音声でこの携帯電話の利用者は応答できない旨の案内が流れた。こうした手法について、下院情報特別委員会(HPSCI)の委員を務める民主党のホアキン・カストロ下院議員は3日、CNNの取材に対し、トランプ氏が議員の電話番号を公開したことで「危害を受ける危険」にさらしたと批判した。中国やロシア、あるいは非国家主体といった外部勢力が端末に侵入する能力を指摘し、「彼らに必要なのは電話番号だけだ」と強い懸念を示している。
過去の類似事例とトランプ氏の政治的手法
現職の上院議員の個人情報をトランプ氏が公開したのは今回が初めてではない。2016年の大統領選に向けて選挙運動を行っていた当時、大勢の聴衆が詰めかけた予備選の集会で、対抗馬だった故リンゼー・グラム上院議員の個人の携帯電話番号を読み上げた前例がある。ロイターの報道によると、当時もトランプ氏はライバル議員を公の場で批判する手段としてこの手法を用いており、今回も自らの政策目標を達成するために同様の強硬な手段に出た形となる。

夏時間通年化を巡る今後の行方と上院の動向
夏時間の通年化法案は今年の夏に下院で圧倒的な支持を集めて可決されたものの、上院ではその後具体的な動きが停滞している。ロイターによると、共和党上院トップのジョン・スーン院内総務が採決に付すことはないとの認識が示されており、上院での採決実現は不透明なままである。トランプ氏は共和党の政治的成果として法案の成立を強く求めているが、党内の根強い反対や安全保障上の懸念を背景に、法案が今後どのようなプロセスをたどるのかは予測がついていない。