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ディフェンス・プライオリティーズの提言巡り伊藤隆太氏らが問題点指摘

米国のシンクタンク「ディフェンス・プライオリティーズ」が9月に発表した提言が、日本国内で波紋を広げている。日米同盟を解消し核の傘も終了する一方、三沢や横須賀などの基地は使い続けるという構想に対し、政治学者の伊藤隆太氏らが問題点を指摘している。 日米同盟の解消と基地存続を掲げる米シンクタンクの提言 Yahoo!ニュースやPRESIDENT Onlineなどの報道によると、注目を集めているのは米シンクタンク「ディフェンス・プライオリティーズ」の提言である。日米同盟を終わらせて相互防衛や核の傘を終了させる一方で、日本の基地は引き続き利用し続けるという内容だ。この構想は9月23日付の米軍関係者向け新聞「スターズ・アンド・ストライプス」などでも紹介され、太平洋での米軍大幅縮小案として取り上げられた。元寄稿者にはトランプ政権の情報・国防関連ポスト経験者も含まれている。 「アジアのための第二列島線戦略」が目指す米軍再配置 同シンクタンクの上級研究員であるジェニファー・カバナ氏が発表した「アジアのための第二列島線戦略」は、台湾への軍事不介入を明確にしている。日本や韓国との相互防衛同盟を限定的な協力関係に置き換え、米国の核戦力による防衛も終了させる方針だ。米軍の配置中心は、南西諸島から台湾、フィリピン方面の第一列島線から、グアムなどの第二列島線へと後退させる。地上部隊の多くを米本土へ戻す計画だが、日本との武器・情報協力や一部基地の利用は残すとされている。 2026年1月の国家防衛戦略との決定的な違い 米政府が2026年1月に公表した「国家防衛戦略」は、第一列島線に沿って相手の攻撃を成功させにくくする防衛態勢を掲げている。今回のディフェンス・プライオリティーズの提言は、その公式方針とは異なる選択を提示した形だ。米国の負担軽減という名目であっても、同盟内で日本の役割を増やす場合と、防衛の約束そのものを縮小する場合では意味が大きく異なる。後者の場合、米側がこれまで担ってきた任務を日本が単独で引き受けることになり、防衛費や装備の大幅な拡充が避けられなくなる。 米国が守ろうとする本土の安全と貿易路の維持 執筆者のカバナ氏は、軍事力で守るべき最優先の利益として米本土の安全とアジアの市場・貿易路へのアクセスを挙げる。台湾周辺の領土問題に関与しすぎれば中国と戦う危険が増すため、前方部隊を減らしてリスクを抑えたいという理屈だ。一方で、アジアとの貿易路が妨害された場合に備えて限定的な海空軍の戦力を残す。また、中国沿岸から離れた日本本土は侵攻を防ぎやすいとみなし、米国への依存を減らして自助努力を促す余地があると考えている。 有事における基地提供の危険性と日本が背負うリスク この提言の最大の懸念点は、日本を守る約束が縮小するにもかかわらず、日本側が米軍基地を提供し続ける点にある。有事の際に米軍が三沢や横須賀などの基地を使用すれば、基地自体や周辺の街が攻撃される危険性が高まる。日本にはいかなる安全保障上の危険が残り、米国からどのような支援を受けられるのかという条件は不透明なままだ。米国の主要メディア全体で大きな論争に発展しているわけではないものの、トランプ政権との人的接点がある団体の構想として、今後の動向が注視されている。 写真:PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) ディフェンスは何をがんばったらいいのか?わかりやすく【バスケの大学・三原学】

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米国のシンクタンク「ディフェンス・プライオリティーズ」が9月に発表した提言が、日本国内で波紋を広げている。日米同盟を解消し核の傘も終了する一方、三沢や横須賀などの基地は使い続けるという構想に対し、政治学者の伊藤隆太氏らが問題点を指摘している。

日米同盟の解消と基地存続を掲げる米シンクタンクの提言

Yahoo!ニュースやPRESIDENT Onlineなどの報道によると、注目を集めているのは米シンクタンク「ディフェンス・プライオリティーズ」の提言である。日米同盟を終わらせて相互防衛や核の傘を終了させる一方で、日本の基地は引き続き利用し続けるという内容だ。この構想は9月23日付の米軍関係者向け新聞「スターズ・アンド・ストライプス」などでも紹介され、太平洋での米軍大幅縮小案として取り上げられた。元寄稿者にはトランプ政権の情報・国防関連ポスト経験者も含まれている。

「アジアのための第二列島線戦略」が目指す米軍再配置

同シンクタンクの上級研究員であるジェニファー・カバナ氏が発表した「アジアのための第二列島線戦略」は、台湾への軍事不介入を明確にしている。日本や韓国との相互防衛同盟を限定的な協力関係に置き換え、米国の核戦力による防衛も終了させる方針だ。米軍の配置中心は、南西諸島から台湾、フィリピン方面の第一列島線から、グアムなどの第二列島線へと後退させる。地上部隊の多くを米本土へ戻す計画だが、日本との武器・情報協力や一部基地の利用は残すとされている。

2026年1月の国家防衛戦略との決定的な違い

米政府が2026年1月に公表した「国家防衛戦略」は、第一列島線に沿って相手の攻撃を成功させにくくする防衛態勢を掲げている。今回のディフェンス・プライオリティーズの提言は、その公式方針とは異なる選択を提示した形だ。米国の負担軽減という名目であっても、同盟内で日本の役割を増やす場合と、防衛の約束そのものを縮小する場合では意味が大きく異なる。後者の場合、米側がこれまで担ってきた任務を日本が単独で引き受けることになり、防衛費や装備の大幅な拡充が避けられなくなる。

米国が守ろうとする本土の安全と貿易路の維持

執筆者のカバナ氏は、軍事力で守るべき最優先の利益として米本土の安全とアジアの市場・貿易路へのアクセスを挙げる。台湾周辺の領土問題に関与しすぎれば中国と戦う危険が増すため、前方部隊を減らしてリスクを抑えたいという理屈だ。一方で、アジアとの貿易路が妨害された場合に備えて限定的な海空軍の戦力を残す。また、中国沿岸から離れた日本本土は侵攻を防ぎやすいとみなし、米国への依存を減らして自助努力を促す余地があると考えている。

有事における基地提供の危険性と日本が背負うリスク

この提言の最大の懸念点は、日本を守る約束が縮小するにもかかわらず、日本側が米軍基地を提供し続ける点にある。有事の際に米軍が三沢や横須賀などの基地を使用すれば、基地自体や周辺の街が攻撃される危険性が高まる。日本にはいかなる安全保障上の危険が残り、米国からどのような支援を受けられるのかという条件は不透明なままだ。米国の主要メディア全体で大きな論争に発展しているわけではないものの、トランプ政権との人的接点がある団体の構想として、今後の動向が注視されている。

ディフェンス・プライオリティーズの提言巡り伊藤隆太氏らが問題点指摘
写真:PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
ディフェンスは何をがんばったらいいのか?わかりやすく【バスケの大学・三原学】
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