2026年10月4日、イエメンの武装組織フーシ派がサウジアラビアの首都リヤドにあるサウジアラムコ関連施設をミサイルとドローンで攻撃したと主張した一方、サウジ主導の連合軍はこれを「誤導的」であると否定し、組織の戦果の誇大化であると反論しました。
サウジアラビアの首都リヤドでサウジアラムコ関連施設から黒煙と火災が目撃されたことを受け、イエメンの反体制派組織フーシ派が同日、弾道ミサイルとドローンを用いた攻撃の実行を公に宣言しました。フーシ派軍事報道官のヤヒヤ・サリー氏は、首都サヌアや各地の州に対する過去24時間の膨大な空爆とミサイル攻撃への報復であると主張し、作戦は目的を達成したとテレビ演説で述べました。
サウジ主導連合軍によるフーシ派主張の否定と地上戦の激化
これに対し、イエメンの国際承認された政府を支援するサウジ主導連合軍の報道官トルキ・アル=マリキ准将は、アシャルク・アル=アウサット紙などを通じた声明で、首都リヤドが標的とされたというフーシ派の主張を「誤導的」であると一蹴しました。マリキ報道官は、フーシ派がタイズなどで直面している人的損失や、外国の思惑との結びつきによる国内の激しい怒りから目を逸らそうとしているだけだと批判しました。
サウジ主導連合軍のトルキ・アル=マリキ報道官によれば、フーシ派の背後にある外部アジェンダがイエメン全土に破壊と混乱をもたらしてきたと指摘されており、連合軍側もフーシ派の増援部隊を標的とした集中的な作戦を継続していると発表しています。
相次ぐ攻撃と報復の連鎖が示すエスカレーション
フーシ派は直近でもサウジアラビア西部のヤンブーにあるアラムコ施設に対する攻撃を主張しており、サウジ側防空体制も弾道ミサイルの迎撃を報告するなど、エネルギーインフラを巡る攻防が続いています。アシル地域のハミス・ムシャイトやアハド・ラフィダ上空でも、サウジ防空軍が複数のミサイルを迎撃・破壊しており、落下物の破片によってアジア国籍の外国籍住民が負傷するなどの実害が出ています。
私たちはテロリストであるフーシ派組織のサヌアおよびサアダにおける不可欠な標的に対して痛烈な打撃を与えている。
イエメン政府軍公式報道官 マジェッド・アブドラ・アル・ヌザイリ大佐 写真:Aljazeera
イエメン政府軍側もサヌアやサアダのフーシ派拠点への攻撃を公に確認しており、地上および空中での交戦は収まる気配を見せていません。紅海の要所であるバブ・エル・マンデブ海峡周辺の支配権を巡る争いや、ペルシャ湾・紅海地域の海上交通や保険料への影響も含め、広範な安全保障上の緊張が強まっています。
ロイター通信が中東および欧米の当局者の情報として伝えたところによると、サウジアラビア側は数週間以内にフーシ派に対する大規模な攻勢を計画しているとされ、航空支援を伴う軍事行動の準備が進められていると報じられています。
残された不確実性と今後の懸念
リヤドのアラムコ施設付近での火災発生について、サウジ当局からの即時の公式確認や被害規模の詳細な発表は行われておらず、フーシ派の攻撃が実際にどこまで到達したのかについては両陣営の主張が真っ向から対立しています。中東および欧米の当局者の情報として伝えられるサウジ側の今後の大規模攻勢の動きも含め、軍事的な緊張が今後どのように推移するかは依然として不透明なままです。

