米国の非営利団体「クリーンラベル・プロジェクト」が2日までに公表した市販のキャットフードの調査で、検査したサンプルのほぼ全てから鉛や水銀などの重金属、プラスチック由来物質、除草剤グリホサートが検出されたことが分かった。CNNが報じた。
売れ筋のキャットフード100商品を対象にした調査で99%から鉛を検出
クリーンラベル・プロジェクトは、売れ筋のキャットフード100商品を対象に、鉛やヒ素、カドミウム、水銀、殺虫剤、除草剤、プラスチック可塑剤「フタル酸エステル」など122を超える汚染物質について検査を実施した。その結果、62ブランドのキャットフードのうち99%から鉛、96%からカドミウム、94%からヒ素が検出された。有害物質はウェット、ドライ、エアドライ、フリーズドライの全てのタイプで確認され、「ナチュラル」や「優れた栄養価」をうたう商品も例外ではなかったという。同団体のモリー・ハミルトン事務局長は、大半の猫がほぼ毎日同じものを食べるため、継続的な曝露によって生涯を通じて体内に汚染物質が蓄積する可能性があると指摘している。
ドライフードからウェットフードの約3倍の鉛が検出
汚染の程度は商品のタイプや鶏肉、牛肉、魚といったたんぱく源によって異なり、ドライのキャットフードに含まれる鉛は、ウェットやエアドライのおよそ3倍に達した。カドミウムは人間では発がん性物質に分類され腎臓や骨に悪影響を及ぼし、鉛が蓄積するとほぼ全ての主要な臓器系がダメージを受ける。ハミルトン氏は、猫などの比較的小さなペットは大型ペットに比べ吸収量が多いにもかかわらず、ペットフードに含まれる汚染物質を規制するルールはほとんどないと述べている。安全性を示す基準がない現状について、既存の指針の多くは家畜を対象としており、子猫や15歳の飼い猫は想定されていないと警鐘を鳴らしている。
業界団体は厳格な規制や品質基準に従った製造を主張
キャットフードメーカーの業界団体「ペットフード・インスティテュート」のエリス・フェニグ最高経営責任者(CEO)は、CNNに寄せたメールの中で、メーカー側は食品安全や品質保証に関わる包括的なプログラムを導入していると説明した。その中には、原材料の規格やサプライヤーの検証、検査手順、追跡管理システムのほか、製品の安全性と栄養価、品質の安定性を確保するための科学的な予防措置が含まれるとしている。フェニグ氏は、猫の飼い主に向けて、愛猫に与えている食べ物が安全で厳格な規制や品質基準に従って製造されていると安心してほしいと呼びかけた。
外部の専門家からはサプライヤーに対する化学物質排除の責任を求める声も
消費者製品の安全性を追求する非営利団体「トキシックフリー・フューチャー」の科学部門責任者であるライアン・ババディ氏は、今回の調査について妥当な方法で行われた分析だと評価した。今回の調査に関わっていない同氏は、大手小売業者がサプライヤーに対し、ペットフードや包装から有害な化学物質を排除するよう求めていく責任があると指摘している。他の多くの製品ではこうした化学物質がすでに段階的に廃止されるか使用が禁止されている現状を踏まえ、業界全体の取り組みの必要性に言及した。
ドッグフードの調査でも人間の食べ物の3倍から13倍の重金属を検出
クリーンラベル・プロジェクトは今年2月、ドッグフードについても同様の分析結果を公表していた。その際には、人間の食べ物の3倍から13倍の重金属が検出されたと明らかにされている。鉛やカドミウムへの曝露は、犬の死因で最も多いがんとの関連が指摘されている。重金属は土壌や水、大気に自然に存在するものの、農工業や鉱業による汚染が原因で食品への混入が増加、拡散することがあり、プラスチックなどに由来する汚染物質も製造工程で混入する可能性があると報告されている。高齢の猫の主要な死因の一つである慢性腎臓病と、重金属をろ過する腎臓の役割との関連性も含め、ペットを取り巻く環境の検証が続けられている。