アルバータ州で独立手続きを問う住民投票が19日に実施へ
カナダ西部アルバータ州で19日、独立に向けた手続きを進めるかどうかを問う住民投票が行われる。人口約500万人を抱える同州は、カナダ有数の石油・天然ガス資源を有する地域として知られている。読売新聞の報道によると、州民や企業が納めた税金が他州への財政支援に使われていることや、温室効果ガス排出規制への反発が背景にあるという。独立論は1980年代以降、繰り返し浮上してきた歴史的経緯を持つ。
約28万人の署名を集めて住民投票の実施が決定
独立派はこのほど、住民投票の実施に必要な約18万人を大きく上回る約28万人の署名を集めた。これを受けて州政府は、独立に向けた手続きを進めるかどうかを問う住民の意思を確認することを決め、13日に期日前投票が始まった。手続き開始への賛成が過半数を占めた場合でも、直ちに独立が決定するわけではなく、独立の是非は改めて別の住民投票で問われる仕組みとなっている。独立派団体の代表は公式サイトで、「自分たちの将来を自ら決める権利を持つべき時だ」と訴えている。
カーニー首相が残留を呼びかけ経済混乱への懸念を示す
一方、反対派は独立によって経済や社会に混乱が生じると強く警告している。同州で育ったカーニー首相は12日のビデオメッセージで、独立に向けた動きが長期にわたる不確実性を招き、新たなパイプラインの建設などを妨げると指摘した。「我々は団結することで、より強くなる」と述べ、カナダへの残留を呼びかけている。資源開発を巡る国の政策と州の利益の対立が、今回の投票を巡る主な争点となっている。
世論調査では残留支持が70%で独立手続き支持は22%にとどまる
調査会社レジェが8日に公表した世論調査によると、カナダ残留を支持する人が70%に達した。一方で、独立に向けた手続き開始を支持する人は22%にとどまっている。世論調査の数値上は独立支持派が少数派であるものの、独立派は今回の投票を連邦政府から譲歩を引き出す好機と捉えている。残留を望む有権者に対しても手続き開始への賛成を呼びかけており、独立への賛否とは異なる複雑な投票行動となる可能性が指摘されている。
資源政策を巡る対立の行方と今後の手続きに集まる注目
今回の住民投票で手続き開始への賛成が多数を占めた場合、州政府はさらなる法的・政治的なステップへ進むことになるが、独立そのものへのハードルは依然として高い。反対派が警告する経済的な不確実性や、連邦政府との権限争いは今後も継続する見通しである。投票の正確な結果と、それを受けた連邦政府および州政府の出方が、今後のカナダ国内の資源政策や地域間関係を左右する重要な分岐点として注目されている。