オレゴン大学男子バスケットボール部の指揮を16年間執ってきたデイナ・アルトマン監督が、2026年10月7日に突然の引退を発表しました。シーズン開幕を約1ヶ月後に控えた中、後任としてトニー・スタッブルフィールド氏が暫定ヘッドコーチに就任し、2026-27年シーズンを指揮することとなります。
16年の歴史に幕、アルトマン監督の突然の退任
オレゴン大学の男子バスケットボール界における最も成功した指導者、デイナ・アルトマン監督が、16年間の任期を終え、即時引退を表明しました。68歳となるアルトマン監督は、2026年11月2日のモンタナ大学とのシーズン開幕戦まで1ヶ月を切ったタイミングでの決断について、自身のキャリアにおいて「最も困難な決断の一つ」であると語っています。
アルトマン氏は、2010年からオレゴン大学で指揮を執り、通算382勝182敗という成績を残しました。全米大学体育協会(NCAA)の歴史において通算15番目に多い勝利数を誇る同監督は、在任中に9度のNCAAトーナメント進出、5度のスウィート16、2度のエリート8、そして2017年のファイナル・フォー進出という輝かしい実績を築き上げました。キャリア通算では37シーズンで792勝425敗を記録しています。

「ここで指揮を執る毎分を愛していました。そこから離れることは困難で、本当に痛みを伴います。私はコーチングを愛しており、それが私にとって最も得意なことであり、約50年もの間幸運にも続けてこられたことです。コーチ陣、選手たち、そして信じられないほど素晴らしいファンたちと会えなくなることは、言葉では表現できないほど寂しくなるでしょう。しかし、今が正しいタイミングだと確信しています」 デイナ・アルトマン、元オレゴン大学男子バスケットボール部ヘッドコーチ
アルトマン氏は、自身の退任に際して、パット・キルケニー元体育局長、フィル・ナイト氏、ティム・ボイル氏らによる支援に謝意を示しました。昨シーズン、チームはケガ人の続出により12勝20敗と苦戦し、アルトマン氏がオレゴン大学で指揮を執って以来初めて、勝率5割を下回るシーズンとなりました。しかし、その功績は揺るぎないものとされています。
暫定ヘッドコーチ、トニー・スタッブルフィールド氏の役割
大学は、アルトマン氏の長年のアシスタントコーチであったトニー・スタッブルフィールド氏を暫定ヘッドコーチに任命しました。スタッブルフィールド氏は、2010年から2021年までアルトマン氏の元でアシスタントを務め、2021年から2024年まではデポール大学でヘッドコーチとして3シーズン指揮を執りました。その後、2024年に再びオレゴン大学のコーチ陣に復帰しています。
スタッブルフィールド氏はスカウトとしての評価も高く、2016年から2019年にかけて全米トップ12に入るクラスの獲得に貢献しました。その中には、ペイトン・プリチャード、クリス・ドゥアルテ、ボル・ボル、トロイ・ブラウン・ジュニア、ルイス・キングといった後にNBA入りする選手たちが含まれています。オレゴン大学のロブ・マレンズ体育局長は、この人事について次のように評価しています。

「トニーはユージーンでのアルトマンの在任期間のほとんどを共にし、このプログラムを誰よりも熟知しています。学生アスリートたちは彼を知り、信頼を寄せており、今シーズンを率いるのに最も適した人物です」 ロブ・マレンズ、オレゴン大学体育局長
スタッブルフィールド氏は、今シーズンのロスター構築においても中心的な役割を果たしており、10人の新加入選手を迎え入れるプロセスを主導しました。アルトマン氏自身も、9月の時点で「スタブ(スタッブルフィールド氏)は素晴らしい仕事をしてくれた。代理人との交渉など、私の負担を大きく減らしてくれた」と語っていました。

シーズン直前の退任がもたらす影響と今後
今回の退任は、チームがシカゴでのビッグ・テン・メディア・デーに参加するわずか24時間前に発表されました。この異例のタイミングでの交代劇により、選手たちが転校を希望する場合でも、ルール上、暫定ヘッドコーチ就任から31日間は移籍ポータルに登録できないよう制限がかけられています。これにより、スタッブルフィールド氏は選手を維持し、チームの基盤を安定させるための時間を確保できることになります。
なお、オレゴン大学は、2026-27年シーズン終了後に、正式なヘッドコーチを選出するための全米規模の探索を開始する予定です。現時点で、後任候補として、セントルイス大学のジョシュ・シャーツ氏、UCアーバインのラッセル・ターナー氏、グランドキャニオン大学のブライス・ドリュー氏らの名前がメディアで言及されています。スタッブルフィールド氏は、この1シーズンで自身の評価を証明し、正式な監督就任に向けた足がかりを作れるかが注目されます。