2026年5月、ウィスコンシン州の世論調査で、トニー・エバーズ知事と共和党指導部が合意した予算余剰金活用法案に対し、州民の80%が支持を表明しました。この法案は特別支援教育への資金投入や固定資産税の軽減、納税者への還付を盛り込んでいましたが、州上院で否決されました。
予算余剰金法案をめぐる世論の支持
2026年5月20日から21日にかけて実施されたマーケット大学法科大学院の調査によると、州民の圧倒的多数が、州予算の余剰金を活用する法案の可決を求めていたことが明らかになりました。この法案は、民主党のトニー・エバーズ知事と、共和党のロビン・ヴォス下院議長、デビン・ルマヒュー上院多数党院内総務が合意に達していたものです。
調査対象となったウィスコンシン州の成人454人のうち、80%が「議会は法案を可決すべきだった」と回答しました。一方で、法案を否決すべきだったと回答したのは11%にとどまり、9%は判断を保留しました。この高い支持率は政党やイデオロギー、居住地域を超えて一貫しており、政治的な分断が指摘される中では異例の傾向を示しています。
法案の内容と上院での否決
この法案は、25億ドルと予測される州予算の余剰金のうち、18億ドルを充てる計画でした。具体的な施策には、以下の項目が含まれていました。
- 特別支援教育への資金提供拡大
- 学校固定資産税の約5%軽減
- 個人に300ドル、夫婦に600ドルの還付金支給(州所得税納税者が対象)
- チップおよび残業代に対する課税の廃止
法案は下院では超党派の支持を得て通過しましたが、5月13日に行われた上院の採決では否決されました。上院では共和党議員3名が15名の民主党議員全員と共に反対票を投じた一方、15名の共和党議員が賛成票を投じるという結果となりました。
支持の広がりと財政上の懸念
マーケット大学の世論調査では、イデオロギー別の支持率も確認されており、保守派の78%、中道派の86%、リベラル派の78%が法案の可決を支持していました。また、ミルウォーキー市、マディソン、グリーンベイ/アップルトンなど、州内全域で80%前後の支持率が維持されています。

一方で、立法プロセスにおいて反対派が主張した主な論点は、財政的な不確実性でした。来年度の予算状況が不透明な中で、予測上の余剰金を現時点で支出することに対する慎重な意見です。これに対し、調査では「来年度まで待つべきか、今すぐ可決すべきか」という追加質問も行われ、州民の多くが即時の恩恵を求めている現状が浮き彫りとなりました。
今回の調査結果は、州予算の使途をめぐる政治的対立と、政策を直接享受する住民の期待との間に乖離があることを示唆しています。今後、州議会がこの予算余剰金をどのように扱うのか、あるいは将来の予算編成で同様の政策が再浮上するのかが注目されます。