トランプ大統領による攻撃中止と合意発表の経緯
トランプ大統領は11日、ホワイトハウスの執務室でイランとの戦争が「文書の最終化」を条件に解決したと主張した。この発表は、同氏が「今夜は非常に厳しく攻撃する」と警告し、イランの石油インフラを接収すると脅迫した数時間後に行われた劇的な方針転換である。トランプ氏は、イランの最高指導部と交渉を行い、軍事攻撃を取りやめる決定を下したと語った。 トランプ氏はTruth Socialへの投稿で、合意について次のように述べている。 「イラン・イスラム共和国との協議がイラン最高指導部にもたらされ、承認されたという事実に基づき、アメリカ合衆国大統領として、今夜予定されていたイランへの攻撃と爆撃を中止した。」トランプ大統領、Truth Social 大統領は、この取引が最終化されるまで、オマーン湾におけるイランの港に対する海軍の封鎖は「完全に有効であり続ける」とし、数日以内に欧州などで署名式を行う可能性があると示唆した。この発表を受け、株価は急騰し、原油価格は下落した。この市場の反応は、2月28日に開戦して以来、トランプ氏が和平合意が近いと主張するたびに繰り返されてきたパターンであるとCNBCは報じている。イラン側の反論と交渉の不透明さ
トランプ氏の発表に対し、イラン国営メディアのFarsは即座に反論を展開した。イラン側は、米国との間で何らかの覚書や合意文書が承認されたという事実はないと主張している。Farsは、トランプ氏の動きを、軍事的な脅迫を強めたものの具体的な成果を得られず、結果として戦術的な撤退を余儀なくされたものと分析した。 NPRが報じたイラン側の声明によると、交渉の現状は以下の通りである。 「現実には、イランが最終的な回答を出していないだけでなく、以前の要求に戻ったのは米国の方である。もちろん、米国がイランの提案した文書を受け入れたことを考慮すれば、この文書を再検討する可能性はある。」Fars、Telegram投稿 トランプ氏は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相を含む地域の指導者らと協議したと述べており、ネタニヤフ氏の事務所もこの会話を認めた。しかし、イスラエル側の声明では、交渉への直接的な参加は否定しつつも、最終的な合意にはイランの核能力に対する制限が含まれるというトランプ氏の「公約」を評価するにとどまっている。ホワイトハウスが直面する政治的ジレンマ
トランプ大統領が和平合意を強調する背景には、国内での支持率低下とインフレという厳しい政治情勢がある。シラキュース大学のジェニファー・ストローマー・ギャリー教授は、トランプ氏の言動について、現実をコントロールできない中で、望ましい現実を「製造」しようとする修辞的な試みであると指摘する。 「トランプ氏は、単にあと少し時間があれば約束通りに戦争を終わらせられるとアメリカ国民に確信させようとしている」とストローマー・ギャリー氏は分析する。 戦争開始から3か月以上が経過し、イランは世界のエネルギー供給の約20%が通過するホルムズ海峡を事実上封鎖している。4月以降、不安定な停戦状態が続いているものの、双方による攻撃は激化しており、トランプ氏は合意の欠如に苛立ちを募らせていた。これまで30回以上にわたり「合意は近い」と繰り返してきた大統領の発言に対し、国民の信頼は揺らいでいるとNPRは伝えている。今後の焦点と不確実性
トランプ氏は「交渉の最終結論において最終合意がなされるという確約」を強調しているが、具体的な合意文書や署名の日時については依然として不透明だ。トランプ氏自身も、核問題に関する合意について問われた際、「概念的にはイエス」と答えるにとどまっており、詳細な詰めが完了しているかは不明である。 今後数日間、以下の点が事態を左右する見通しだ。- 文書の最終化に向けた実務レベルでの交渉が、イランと米国間で実際に再開されるか。
- 封鎖されているホルムズ海峡の通行再開に向けた具体的なタイムラインが提示されるか。
- イスラエルを含む地域諸国が、トランプ氏の主張する合意内容を公式に支持するかどうか。
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