マサチューセッツ州のプリマス上級裁判所で審理されているリンジー・クランシー被告の殺人裁判は、陪審員による評議が3日目を迎えたものの、依然として結論が出ていない。陪審員は8月31日の月曜日までに合計17時間にわたる評議を行ったが、評決には至らず、ウィリアム・サリバン裁判官は同日午後4時前、陪審員を帰宅させた。評議は9月1日午前9時から再開される予定である。
リンジー・クランシー被告の殺人裁判、評議は3日目へ突入
事件の背景と争点
クランシー被告(36)は、2023年1月24日にダックスベリーの自宅地下室で、5歳のコーラちゃん、3歳のドーソンちゃん、8ヶ月のキャランちゃんの3人の子供をエクササイズバンドで絞殺したとして、3件の第一級殺人罪で起訴されている。被告は無罪を主張している。
裁判の最大の争点は、被告が当時、産後精神疾患の影響で自身の行動の違法性を認識できず、法に従う能力を欠いていたかという「刑事責任能力」の有無である。検察側は、被告が自身の置かれた状況に絶望し、意図的に子供たちを殺害した計画的な犯行であると主張している。一方、弁護側は、被告が産後の不安やうつ、不眠に苦しむ中で医療提供者から不適切な投薬を受け、精神状態が悪化したと主張。犯行時には幻聴に従うような精神病状態にあり、刑事責任を問える状態ではなかったと訴えている。
膨大な証拠と陪審員の判断
本裁判では、これまでに85人の証人が証言し、約300点の展示品が提示されるなど、陪審員は極めて複雑な情報を検討している。弁護人のケビン・レディントン弁護士は、陪審員が約7,000ページに及ぶ医療記録を含む膨大な資料を精査していることに触れ、「彼らは懸命に取り組んでいる」と述べた。

陪審員は金曜日の時点で、証拠品として提出されたピルボトルとナイフの確認を求める質問を行っている。心理学者で陪審コンサルタントのローラ・ニーミ氏は、長い評議時間が必ずしも行き詰まりを意味するものではないとし、「陪審員は検討すべき信じられないほどの情報量を抱えている」と指摘した。
評決の種類と今後の見通し
陪審員に提示された評決の選択肢には、第一級殺人罪、第二級殺人罪、または過失致死罪での有罪、あるいは「刑事責任能力の欠如による無罪」、および単なる無罪が含まれている。

マサチューセッツ州法の下では、被告が「精神疾患または欠陥」により自らの行為の違法性を認識できなかった、あるいは法に従うことができなかったと認められる場合、刑事責任を問われない可能性がある。その場合、被告はテュークスベリー州立病院などの精神医療施設に送られ、継続的な治療と定期的な審査を受けることになる。
レディントン弁護士は、月曜日の評議終了後にメディアに対し「神経質になっている」と現在の心境を明かした。また、第一級殺人罪での有罪判決が下された場合には自動的に控訴審へ進むことになるが、自身は控訴を担当しない意向を示している。
本件は産後のメンタルヘルスという社会的問題に大きな注目を集めており、裁判所の外には支援者らが集まるなど、全米規模での関心を集める事態となっている。
[https://www.cbsnews.com/boston/news/lindsay-clancy-deliberations-latest/](https://www.cbsnews.com/boston/news/lindsay-clancy-deliberations-latest/) [https://www.bostonglobe.com/2026/08/31/metro/lindsay-clancy-jury-deliberations-continue/](https://www.bostonglobe.com/2026/08/31/metro/lindsay-clancy-jury-deliberations-continue/) [https://www.patriotledger.com/story/news/courts/2026/08/31/lindsay-clancy-verdict-jury-deliberations-day-3-live–live/91543704007/](https://www.patriotledger.com/story/news/courts/2026/08/31/lindsay-clancy-verdict-jury-deliberations-day-3-live–live/91543704007/)