米国女子ツアーのロッテ選手権を前に、前週のアーカンソー選手権を制した西村優菜が優勝争いの裏で遭遇していたリーダーボードとの格闘を明かした。後半にスコアの差が分からず戸惑った一幕や、想定外の表示に動揺したハワイ州でのエピソードがゴルフダイジェスト・オンラインの取材で明らかになった。
スコアを確認できないまま進んだ後半の戦い
14番の終了後、西村優菜は「トイレに行きたい!」という思いが強すぎて、グリーンサイドのスコアボードを確認する余裕がなかった。そのままスルーして15番のパー3に向かったが、アーカンソー選手権で採用されていたデジタル式のリーダーボードは数秒おきに画面が切り替わる仕組みだった。上位から一定の人数ずつ表示される仕様のため、自分が首位であることは分かっても何打差あるのかが判別できず、16番のボードでは30位台の選手しか見られないなどタイミングの悪さが重なった。
電光掲示板に現れた予期せぬゲータレードの広告
もともと優勝争いの最中は極力周囲のスコアを確認する「見る派」の西村優菜は、続く17番のパー3のグリーン脇で電光掲示板を絶対に見ようと決めていた。しかし、パットを打つ前に見ても、打った後も見ても画面にはゲータレードの広告が表示されたままだった。「ゲータレードから動かん…」とひとりで焦りを感じた結果、残る18番パー5の攻め方を決められないまま、少し動揺した状態でティイングエリアに立つことになった。
同伴競技者との比較しか分からない状態での18番の決断
18番ティに立った時点で西村優菜が分かっていたのは、同伴競技者よりは良いスコアであるという事実だけであった。もし1打リードしていれば2打目をフェアウェイに刻むプランを想定していたが、正確なリード数が分からないため、覚悟を決めて1Wを振り抜いた。ショットは会心の当たりでフェアウェイをとらえ、残り距離が5Wでグリーンに届くことが分かると、狙いを3オンから2オンへと変更して見事にイーグルチャンスを作り出した。
グリーン脇の歓声で知った圧倒的な4打差の勝利
「とりあえず、のせたと思ったら、(グリーン脇に)みんなが来てくれていたのが分かったので、イイ感じなのかな…と思った」と西村優菜は当時の心境を振り返っている。期待を胸に最後のグリーンに上がると、2位との差はなんと4ストロークにひろがっていた。最後にようやく状況を把握して安心感を抱き、2パットのバーディでしっかりと決着をつけた。ハワイ州エワビーチのホアカレイCCで開幕するロッテ選手権に向け、前週の劇的な勝利を振り返ったこの経験がどのような影響を与えるのか、今後の戦いぶりが注目される。