アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は28日、南大西洋のフォークランド諸島沖での石油探査活動をイギリス政府が停止しなければ、法的措置を取ると警告した。BBC Newsの報道によると、ミレイ氏はイスラエルとイギリスの企業が共同で進めるシーライオン油田プロジェクトの中止を求め、イギリス政府に対して2週間の期限を設定した。
フォークランド沖石油探査をめぐる法的措置の背景
フォークランド諸島(アルゼンチン名:マルビナス諸島)の領有権をめぐっては、長年にわたりイギリスとアルゼンチンが緊張関係を続けている。1982年にはアルゼンチン軍が同諸島に侵攻し、イギリス軍機動部隊との間で74日間の紛争に発展した。この戦闘ではイギリス兵255人、島民3人、アルゼンチン兵649人が死亡している。それから40年以上が経過した現在も、両国の溝は埋まっていない。
シーライオン油田プロジェクトと2週間の期限
ミレイ氏はソーシャルメディアへの投稿で、イギリスとイスラエルの企業が共同で進める開発の中止を要求した。対象となっているのは、フォークランド諸島から約210キロの距離にあるシーライオン油田だ。この油田の石油埋蔵量は17億バレルと推定されている。ミレイ氏は、2週間の期限内に資源の不当な搾取を終わらせなければ、国際海洋法裁判所に問題を持ち込むと表明した。ドイツ・ハンブルクにある同裁判所は、国連海洋法条約の公正な適用を任務とする独立司法機関である。
英企業とイスラエル企業の開発計画と法的根拠
シーライオン油田の開発を進めるのは、イギリスのロックホッパー・エクスプロレーションとイスラエルのナヴィタス・ペトロリアムの2社である。両社は2年以内に同油田からの石油採掘を開始する予定を立てている。これらの企業は、フォークランド諸島政府から有効な免許や許可を得て活動していると主張しており、ミレイ氏が主張する違法性を否定している。ミレイ氏は以前から、このプロジェクトを明白かつ差し迫った危険だと非難していた。
国連演説での批判とイギリス側の反応
ミレイ氏は今回の警告に先立ち、23日の国連総会演説でフォークランド諸島の主権問題に対する国連の対応を厳しく批判した。国連が役立たずの組織になったと主張したミレイ氏に対し、イギリスのウェス・ストリーティング国防相は、アルゼンチンにはフォークランド諸島を武力で奪還する能力が欠けていると反論している。双方の主張は平行線をたどっており、外交的な緊張が高まっている。
住民投票で示されたフォークランド島民の選択
フォークランド諸島では2013年に住民投票が実施された。その結果、島民の圧倒的多数に当たる投票総数の99.8%が、イギリスの海外領土であり続けることを選択した。反対票はわずか3票にとどまり、住民の意思はイギリス帰属を支持している。アルゼンチン側の領有権主張と、イギリス領としての現状維持を支持する島民の意思との乖離が、紛争の火種を残り続ける要因となっている。
国際仲裁手続きと今後の見通し
ミレイ氏は、2週間の期限が守られない場合、シーライオン油田プロジェクトによる資源の略奪をめぐってイギリスを相手取った国際仲裁の手続きを開始するよう外務省と法務チームに指示した。両国間の対立が法廷闘争や国際舞台での紛争に発展するかどうかが注目されている。石油採掘の開始予定である2年以内に向け、両国の動向から目が離せない状況が続いている。