出入国在留管理庁は10月1日、在留資格の変更や期間更新にかかる手数料の大幅な引き上げを開始しました。永住許可の手数料は従来の20倍に跳ね上がり、許可審査では収入面で日本人世帯の平均以上を求める新しい運用も同時にスタートしています。これらは政府が1月にまとめた外国人政策の総合的対応策に基づくもので、急速に増加する在留外国人の管理適正化を大きな狙いとしています。
在留資格の変更と期間更新の手数料はいくらになるのか
入管庁が1日から導入した新しい料金体系では、許可される在留期間に応じて手数料が細かく設定されています。3カ月以下の場合は1万円となり、最長の5年以上では7万5000円に引き上げられました。これまで窓口では一律6000円だったため、すべての区分で大幅な値上げとなります。生活困窮者に対しては配慮措置も設けられており、要件を満たす場合は変更や更新の申請で1万円に減額される仕組みです。
永住許可の手数料はなぜ20倍に引き上げられたのか
永住許可に関する手数料は、これまでの1万円から一気に20万円へと引き上げられました。今年5月に成立した改正入管難民法では、手数料の上限が変更や更新で10万円、永住許可で30万円にそれぞれ引き上げられていました。生活困窮者向けの減額措置としては、永住許可の場合に限り2万円とする特例が用意されています。これにより、これまで45年間一律1万円で据え置かれてきた上限枠が大きく塗り替えられました。
入管庁が想定する手数料収入の大幅な増加と財源の使い道
在留外国人の急増に伴い、入管庁は将来的に発生するコスト増への対応を急いでいます。これまで年間の手数料収入は数十億円程度にとどまっていましたが、今回の値上げによって900億円以上になるとの試算も出ています。集まった増額分は、申請対応にかかる実費を賄うだけでなく、日本語教育の推進や相談窓口の体制強化といった行政サービスの財源として活用される予定です。
日本人世帯の平均収入を求める永住審査の厳格化とは何か
在留期間や就労に制限がない永住許可の審査においても、1日から新たな独立生計要件の運用が始まりました。生活を自力できちんと維持できるかどうかをみるため、申請者の世帯収入が日本人世帯の平均収入を上回る水準に継続して達しているかを考慮する内容です。なお、今年4月以降に申請を行い、10月時点でまだ審査が続いている案件もこの新しい審査基準の対象に含まれます。
政府のワーキンググループが検証する外国人受け入れの将来像
政府は7月に、外国人の受け入れに関する基本的な在り方を検討するためのワーキンググループを発足させました。在留外国人が年々増加していく中で、将来的な人口推計や経済、社会保障制度に及ぼす影響を慎重に検証する方針です。急速に進む人口減少の局面において、今後の社会がどのような形で外国人の受け入れを支えていくのか、多角的な議論が続けられています。