ワシントンD.C.にあるジョン・F・ケネディ・メモリアル・パフォーミング・アーツ・センター(The John F Kennedy Memorial Center for the Performing Arts)は、早ければ今週の火曜日にも閉館に追い込まれる可能性がある。ワシントン・ポスト紙が報じたところによると、理事会がまとめた57ページの内部文書(パケット)において、同センターは破産の瀬戸際にあり、数週間のうちに職員への給与支払いや日常的な維持管理費用の支払いが不可能になる見通しだという。現地メディアの報道によると、理事会はコスト面からメインビルの即時閉鎖を推奨している。
ケネディ・センターが直面する財政破綻の危機と閉館勧告
財政難の背景には深刻な収益不足がある。ワシントン・ポスト紙の報道によると、前会計年度において同センターは予算計上していた約2億2,000万ドルの収入に対し、約1億2,400万ドルしか回収できず、大幅な支出削減を行ったにもかかわらず約2,300万ドルの赤字を抱えることになった。センターの広報担当者は、この問題を「前経営陣による財政管理の失敗」に帰しており、一方でトランプ氏の名前が新たな寄付者を惹きつけていると述べている。
「トランプ」名称の再掲をめぐる要求と法的・政治的対立
理事会の報告書では、トランプ大統領の名前を建物の正面に復帰させることが、運営資金を確保し、certain fiscal collapse
(確実な財政崩壊)を回避する唯一の方法であると明記されている。ワシントン・ポスト紙は、トランプ氏が自身の関与が認められればセンターを支援する意向であると報じている。
理事会向けに作成された草案(The Independentが引用)では、Donald J Trump大統領とTrump Kennedy Center基金が監督する改修、復元および基金提供について記されている。
ノーム・アイゼンおよびナサニエル・ゼリンスキー(ジョイス・ベアティ議員の弁護士)はThe Independentの報道にて、この神聖な記念碑を損ない、一人の男の自尊心を満たすための虚栄プロジェクトに変えようとする3度目の試みであると述べ、さらにトランプ氏がセンターを人質に取り、自分の思い通りにならない限り事実上の破滅に追い込むと脅迫しており、このような状況は止めなければならないと主張している。
相次ぐ法廷闘争と施設の物理的損傷がもたらす混乱
トランプ大統領が昨年2期目の就任直後に同センターの会長に就任し、12月に手塩にかけた理事会が「トランプ・ケネディ」への改称を決定(後に裁判所でブロックされた)して以来、施設は混乱に包まれてきた。ワシントン・ポスト紙は、この報告書が、リーダーシップの混乱や訴訟に巻き込まれてきたトランプ氏によるセンター乗っ取りの「注目すべき新段階」であると伝えている。また、多くのアーティストがコンサートをキャンセルし、チケット売上はCOVID-19パンデミック以来の最低水準にまで落ち込んでいる。

さらに財政問題だけでなく、施設の物理的な老朽化も深刻化している。報道によると、今月に入り豪雨の影響でグランド・ホワイエの天井のしっくいが約60フィート(約18メートル)落下し、コンサートホールの入口付近に破片が散乱する事故が発生した。WUSA9によれば、トランプ氏が任命した人物が中心となっている理事会は、今月初めの嵐による天井崩落を挙げ、メインビルを開放し続けることは人命を危険にさらすと主張している。
火曜日の特別会合に向けた今後の見通し
センターの理事会は8月13日に、トランプ氏の名前を再掲し、少なくとも2億5,000万ドルを投じて2年間の閉館・改修工事を行うことを投票で決定していた。司法省や関係資料が警告するように、建物の維持管理すら危うい状態にある中、火曜日に開催される特別会合で、財政危機と改修という2つの主要問題についてどのような決定が下されるのかが注目されている。センター側の前経営陣による財政管理の失敗を指摘する声がある一方で、トランプ氏の関与をめぐる法的な攻防と資金難は、1963年に暗殺された、公民権運動を推進した故大統領を称えて名付けられた米国の文化的象徴である同施設の存続そのものを揺るがし続けている。
