世界的な調査や専門家の指摘によると、若者の間での歯ぎしりや噛みしめる癖が目立っており、睡眠時無呼吸症候群やストレスといった背景要因に注目が集まっています。歯科医師や専門医らは、マウスガードによる対症療法だけでなく、根本的な原因究明の重要性を強調しています。
夜間の歯ぎしりと睡眠時無呼吸症候群の深い関係
睡眠は体が休息をとる時間であるはずが、無意識のうちに体はさまざまな活動を続けています。寝言やいびき、体位の変動に並んで、多くの人が気づかないうちに発症しているのが睡眠時ブラキシズム、いわゆる歯ぎしりです。本人は眠っているため気付きにくいものの、周囲の家族やパートナーが異音として耳にすることが少なくありません。
特に出典元の報道によると、こうした夜間の歯ぎしりは単なる癖にとどまらず、重大な疾患のサインである場合があります。歯科睡眠スペシャリストのアディティ・デサイ医師は、多くの歯科医院が原因を調べずにマウスガードを処方している現状に懸念を示しています。
歯科睡眠スペシャリストのアディティ・デサイ医師は、歯科医師がなぜそれが起きているのかを確認せずにマウスガードを処方していると指摘しています。
さらに、耳鼻咽喉科・頭頸部外科の睡眠障害専門医であるイアン・マチャリア医師によれば、睡眠中のわずかな覚醒状態や浅い睡眠の段階で脳が刺激され、下顎の運動が引き起こされます。マチャリア医師は、呼吸が一時停止するたびに脳が覚醒に向かってわずかに揺さぶられ、それが顎の筋肉の活動を誘発すると述べています。したがって、根本にある睡眠時無呼吸症候群を治療することが、歯ぎしりを軽減させるための有効なアプローチとなります。
ブラキシズムの意外な生理的役割と世界的な発症率
歯ぎしりは歯の摩耗や顎の痛みといった悪影響をもたらす一方で、常に悪者であるとは限らないと専門家は説明しています。ロベゾー教授は、顎の筋肉を動かすことで大きな唾液腺が刺激され、口内の洗浄や歯の保護、さらには消化活動において重要な役割を果たしていると指摘しています。
ロベゾー教授は、咀嚼運動が口内を清潔に保つだけでなく、動物実験および人間を対象とした初期の研究において、脳への血流を刺激し認知機能にも寄与する可能性が示されていると述べています。
研究者であるフランク・ロベゾー氏は、下顎の筋肉を動かすことで脳への血流を刺激していると述べています。
一方で、世界的な発症率に関するデータも明らかになっています。最新のシステマティックレビューおよびメタ分析では、睡眠時ブラキシズムの世界的な有病率が約21パーセント、覚醒時ブラキシズムが約23パーセントと推定されています。ただし、研究によって数値に大きなばらつきがあり、アフリカ地域における十分なデータはまだ不足していると研究者らは注意を促しています。
ストレスや生活習慣が引き起こす心身への影響
日中のブラキシズムと夜間のブラキシズムでは発症のメカニズムや現れ方が異なります。ウェストリッジ病院の歯科医師であるヒルダ・ムトニ・ンガチャによると、日中の歯ぎしりはストレスや不安、深い集中に関連した無意識の習慣であることが多く、無意識のうちに歯を強く食いしばっている状態を指します。
これに対し、夜間の睡眠時ブラキシズムは無意識の睡眠中に発生し、オーディオ的な研磨音や、起床時の頭痛、顎の痛みを伴います。マチャリア医師やンガチャ医師の指摘によれば、喫煙や定期的なアルコール摂取、特定の抗うつ薬、カフェインの過剰摂取、そして遺伝的素因が成人のブラキシズムに関連する要因として挙げられています。

また、心理的な側面も見逃せません。カウンセリング心理学者のアラン・ローレンスは、人間がストレスを感じた際に身体の闘争・逃走反応によってコルチゾールやアドレナリンといったホルモンが分泌され、筋肉の緊張が高まると説明しています。意識的なコントロールが低下する睡眠中には、その緊張が歯ぎしりや食いしばりとして表出するケースがあります。
こうした慢性的な歯ぎしりは、口腔内に確実な負担を残します。
ンガチャが指摘するように、繰り返し加わる強い圧力は歯のエナメル質を摩耗させ、知覚過敏や歯の亀裂、さらには重度の場合には顎関節症や顎の可動域の制限を引き起こす原因となります。若年層の間で広がるこの問題に対しては、表面的な対症療法にとどまらず、生活習慣の改善や専門的な医療機関での原因究明が求められています。