2026年9月12日の朝、テキサス大学オースティン校のキャンパスで行われたESPNの人気番組「College GameDay」の生出演は、波乱の幕開けとなりました。番組の司会を務めるレセ・デイヴィス氏と共に登場したテッド・クルーズ上院議員に対し、会場を埋め尽くした学生やファンから容赦ないブーイングが浴びせられました。
テッド・クルーズ上院議員へのブーイング
クルーズ議員は、テキサス大学とオハイオ州立大学の試合を前に、自身がスポンサーを務める「大学スポーツ保護法(Protect College Sports Act)」への支持を訴えるために登場しました。しかし、その出演は計画通りには進みませんでした。クルーズ議員が話した約8分から10分弱の間、群衆からは激しいブーイングや野次が飛び交い、一部では「Ted you suck(テッド、お前は最低だ)」というチャントまで巻き起こりました。その騒音により、インタビューの内容がほとんど聞き取れないほどの状況となりました。
大学スポーツ保護法(Protect College Sports Act)の内容
この法案は、名前・肖像・似顔絵(NIL)の導入以降に浸透したオフシーズンの混乱を抑制することを目的とした超党派の法案であり、ワシントン州のマリア・キャントウェル上院議員(民主党)もスポンサーを務めています。法案の内容には、600ドルを超える契約の報告義務を課した上でのNILによる学生アスリートへの報酬提供の許可や、適正市場価値を回避することを目的としたNIL外の契約の禁止が含まれています。また、エージェントには州への登録を義務付け、アスリートには5年間の資格期間を付与し、1回目までは資格を失わずに転校でき、2回目の転校では1年分の資格を失うという制限を設けています。
クルーズ議員は、LSUのレーン・キフィン氏の状況やブレンダン・ソーズビー氏のオフシーズンなどを例に挙げ、現状を「カオス(混乱)」と表現して法案の必要性を説きました。また、今後の見通しについて「(可決に必要な)60票は得られると思う」と述べました。
ニック・セイバン氏とディオン・サンダース氏の支持
この法案を支持する著名な人物には、「College GameDay」のパネリストであるニック・セイバン氏や、コロラド大学のヘッドコーチが名を連ねています。セイバン氏は法案の重要性を説く広告スポットに出演しており、サンダース氏もクルーズ議員の出演直後のCMで法案を支持しました。

クリス・マーフィー上院議員による批判
一方で、法案に対する批判も根強く、コネチカット州のクリス・マーフィー上院議員(民主党)は代表的な批判者の一人です。マーフィー氏は5月に自身のウェブサイトで、法案に含まれる反トラスト法免除とハードキャップ(支出上限)により、アスリートが過小評価された報酬に据え置かれることになると指摘しました。
「College GameDay」では、今週中に投票が予定されているにもかかわらず、法案への反対意見を述べるプラットフォームは提供されませんでした。オースティンの観衆が示した強い反発について、ライターのザック・ディーン氏は、リベラルな傾向にある大学キャンパスやオースティンの街の特性、あるいはスポーツ番組に政治を持ち込むことへの不満などが要因である可能性を示唆しています。