2026年9月9日、ロサンゼルスで行われた試合で、シンシナティ・レッズのエリー・デラクルーズ選手がドジャース戦の3回に正確な送球を見せた。テオスカル・ヘルナンデスのインサイド・ザ・パーク・ホームランを阻止したこの送球は、当初時速105.3マイルと報じられ、大きな話題となった。
驚異的な105.3マイルの送球とデータ検証の混乱
レフトから返球を受けたデラクルーズは、本塁へ向かってレーザービームのような送球を放ち、捕手のホセ・トレビーノがタッチしてアウトを奪った。この送球速度について、当初Statcastによって時速105.3マイルと計測されたと伝えられた。しかし、The Enquirerが報じたところによると、Statcastはこの数値を後に「検証不足(lack of verification)」として取り下げた。デラクルーズ自身はThe Enquirerに対し、自身の速度は98マイルまたは99マイルに近いと考えていたと語っている。
もし105.3マイルという数値が正確であれば、The Athleticによれば、今シーズン野手が記録した最速の送球となる。これはニューヨーク・メッツのルーキー外野手カーソン・ベンゲが記録した103.9マイルを上回る。また、2015年にStatcastが計測を開始して以来、外野助っ人としての送球速度では、2016年にニューヨーク・ヤンキースのアロン・ヒックスが記録した105.5マイルに次いで2番目に速い記録となる。昨シーズン、ピッツバーグ・パイレーツのオニール・クルーズがシアトル・マリナーズのJ.P.クロフォードを本塁で刺した際の105.2マイルをも上回る数値である。

このプレーについて、レッズのテリー・フランコナ監督はThe Enquirerに対し、「これまで見た中で最高の送球の一つだった。本当に最高だった」と述べ、デーブ・パーカーやロベルト・クレメンテといった野球界のレジェンドたちの送球と並んで語られる日が来るかもしれないと評した。また、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は試合後、「ファンとして、エリーが105マイルでボールを投げるのを見るのは楽しかった。毎晩見られる光景ではない。400フィート飛ばせて105マイルで投げられる選手に対し、今夜はファンの視点から見た」と認めた。
一方、アウトになったテオスカル・ヘルナンデスは、「あのような状況で僕をアウトにできるのは、彼か、あるいは彼に近い肩の強さを持つ人間だけだと思う。彼を尊重しなければならない」と語った。
試合展開とデラクルーズの攻撃的活躍
試合はドジャースが3-2で勝利したが、デラクルーズは攻守両面で存在感を示した。3回表、デラクルーズはドジャースの先発タリック・スクーバルが投じた初球の87.5マイルのチェンジアップを捉え、Statcast投影で444フィートの飛距離を記録する左中間への2ランホームランを放った。この本塁打で試合を同点に追いつかせた。この飛距離は、7月12日に大谷翔平が記録した飛距離を7フィート上回り、2026年シーズンのドジャースタジアムにおける最長本塁打となった。

この本塁打は、デラクルーズにとって今シーズン25本目となり、自身のシングルシーズン最多記録に並ぶとともに、4試合連続の本塁打という記録を伸ばした。マット・ウィルクスによれば、レッズの歴史の中で、キャリアを通じて4試合以上の連続本塁打を複数回記録した打者は、ジョニー・ベンチ、ジェイ・ブルース、アダム・ダン、ケン・グリフィー・ジュニア、テッド・クルシェウスキー、トニー・ペレス、フランク・ロビンソン、エウヘニオ・スアレス、ジョージ・フォスター、ジョーイ・ボットを含むわずか11人しか存在しない。
本塁打を放ち3塁を回った際、24歳のデラクルーズはダグアウトのチームメイトではなく、スタンドで観戦していた実の兄を指差し、目を合わせたという。
チーム状況と個人のフォーム
レッズはナショナルリーグのプレーオフ争いから外れているが、デラクルーズはチームの明るい兆しとなっている。特に左投手への対応に大きな進歩が見られ、この試合前までの今シーズン左投手相手の成績は、打率.352、長打率.662、OPS 1.082となっており、これら3つの指標すべてでメジャーリーグ首位に立っている。これはキャリア初期に左投手に苦しんでいた彼にとって大きな進展である。

また、9月の直近6試合では、打率.500、出塁率.556、長打率.917を記録し、3本の本塁打と7打点を挙げるなど、圧倒的なフォームを維持している。