2026年9月7日、アメリカとイランによる週末の相次ぐ軍事衝突を受け、原油価格は6週間ぶりの高値を記録しました。中東情勢の緊迫化に伴い、サウジアラビアの石油施設への攻撃やホルムズ海峡周辺での緊張が原油市場に直接的な影響を与えています。
米・イランの報復合戦と原油市場への波及
2026年9月9日の週の初め、国際的な原油の指標であるブレント原油先物は1.5%上昇して1バレルあたり97.73ドルを記録しました。取引時間中には一時97.93ドルまで急騰し、7月23日以来の高値をつけています。アメリカの原油指標であるウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)も1.8%高の93.10ドルに上昇し、こちらも7月下旬以来の高値となりました。MarketWatchの報道によれば、10月限のWTI先物は0.8%上昇して1バレル92.17ドルとなり、セッション中に一時93ドルに達しました。また、11月限のブレント原油は1%以上上昇し、97.93ドルに達した後、97.36ドルとなりました。
この緊張状態の中、アメリカのピート・ヘグセス国防長官は、イランがアメリカの船舶を攻撃した場合、アメリカはイランの石油タンカーを「破壊(および沈没)させる(will destroy (and sink))」とXに投稿しました。これに対し、イランのモハンマド・バゲル・カリバフ国会議長は月曜日、Xへの投稿で「我々の資産を攻撃すれば、攻撃されることになる(Strike our assets and you get struck)」と応じました。
サウジアラビアの石油インフラに対する新たな攻撃
紛争の波及は海上にとどまらず、サウジアラビア国内のエネルギー施設にも及びました。月曜日の報道によると、サウジアラビアのJizan市にある石油施設が新たな攻撃を受けました。Financial Timesの報告によれば、Jizan市にある施設は1日あたり40万バレルの精製能力を持つ石油精製所であり、現在被害状況の評価が進められています。FTは、この攻撃の責任者が誰であるかは直ちに明らかになっていないと伝えています。一方で、MarketWatchは、イエメン国境に近いサウジアラビア国内のサウジアラムコ・インフラがフーシ派反乱軍によって攻撃されたとの報告があったと伝えています。
制裁とシャドウネットワークを巡る対立の構図
米国中央軍(CENTCOM)によると、土曜日にイランが米海軍の軍艦2隻に弾道ミサイルを発射した後、米軍はイランの石油タンカー3隻を攻撃しました。CENTCOMは、これら3隻のイラン船舶が、イラン革命防衛隊とその地域的な代理勢力に資金を提供している「数十億ドル規模のシャドウネットワーク(multibillion-dollar shadow network)」の一部であると述べています。
この米軍の行動に対し、イラン外務省は土曜日に声明を出し、商用船舶への攻撃を「戦争犯罪(war crime)」であり、「経済戦(economic warfare)」であるとして非難しました。ホルムズ海峡周辺でのプレゼンス強化や新たな軍事的衝突の懸念がくすぶる中、市場参加者は供給網の寸断リスクを織り込む展開が続いています。