ロシアと北朝鮮は7日、両国を隔てる豆満江(トゥマンガン)に架かる初の自動車専用の橋の開通を発表した。この橋は全長1キロメートルで、ロシア極東のハサンと北朝鮮のトゥマンガンを結んでいる。ロシア政府の発表によると、2車線を備えた新しい国境検問所を通じ、1日あたり最大300台の車両が通行可能になるという。
豆満江に完成した初の道路橋と開通式の概要
開通式は7日にビデオリンク方式で行われ、ロシアのミハイル・ミシュスチン首相が出席した。ロシアのタス通信などが報じたところによると、ミシュスチン首相は式典の中で、国境付近の交通インフラの拡充が両国間の多分野にわたる協力に強いはずみを与えると強調した。新しく開通した道路橋は、かつてのソ連の軍人で、北朝鮮の指導者である金日成氏を暗殺未遂から救ったとされるヤーコフ・ノヴィチェンコ氏の名前が冠されている。
建設の背景と両国を結ぶ既存の交通網
両国間における道路橋の建設は長年議論されており、2024年にウラジーミル・プーチン大統領が北朝鮮を訪問した際に合意に達していた。その後、昨年4月に本格的な工事が開始され、このたびの開通に至った。式典の終了後には、双方から車両の車列が橋を渡ったことが伝えられている。

もっとも、両国が陸路で結ばれるのはこれが初めてではない。豆満江を挟んで、朝鮮戦争後の1959年にはすでに鉄道橋である「友情橋」が稼働しており、ウラジオストクと平壌の間では定期航空路線も運航されている。今回完成した自動車道は、これまでの鉄道や空路に続く新たな物流・移動ルートとなる。
深まる二国間関係と観光・経済への期待
2022年にロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始して以降、モスクワと平壌の関係は急速に緊密化している。北朝鮮はロシアを支援するため、弾薬や軍隊を派遣しており、2024年にロシアのクルスク州へウクライナ軍が侵攻した際には、北朝鮮軍の数千人が撃退支援のために派遣された。

韓国の情報機関によれば、その見返りとしてロシアは防空ミサイルや電子戦装備、ドローン、偵察衛星技術などを北朝鮮に提供しているとみられている。さらに人的交流の面でも変化が見られ、北朝鮮が2024年にロシア人観光客の受け入れを再開して以来、新設されたビーチリゾートやスキー場には数千人のロシア人が訪れている。
軍事物流への懸念と周辺国の反応
一方で、新たな道路橋の開通に対しては、安全保障上の懸念も示されている。ウクライナの人権団体「トゥルース・ハウンズ」などは、この橋が両国間の「目立たない軍事物流回廊」として機能する可能性があると警告している。
同団体の見方では、このルートを通じて北朝鮮の軍人や建設旅団、軍事関係者がロシア側へ移動しやすくなる一方、ロシアの技術や資源が北朝鮮側へ検知されにくく運ばれる恐れがあるという。
ロシアの伝統的なパートナー諸国の中でも、ウクライナ戦争を巡る動向に不満や疑問の声が上がっている。今年7月の会談において、モスクワの長年の同盟国であるカザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領はプーチン大統領に対し、多くの国の指導者からなぜロシアが戦争を続けているのか問われていると伝えた。