金価格は月曜日にわずかに下落しました。金曜日に発表された米国の雇用統計で、8月の雇用成長が急増し、失業率が4.1%で横ばいとなったことが、利上げへの期待を強めたためです。このデータは、最近の苦戦後の労働市場の改善を示唆しており、今月の利上げの可能性を維持させています。
雇用統計の急伸がもたらした金相場への圧力
シンガポール時間の午前7時25分時点で、スポット金は0.1%安の1オンスあたり4,426.67ドルとなりました。また、0211 GMT時点では0.5%安 de 4,405.47ドルを記録し、12月限の米金先物は0.5%安の4,452.20ドルとなりました。金価格は前セッションで1%下落した後、1オンスあたり4,430ドル付近でほぼ横ばいに推移しています。金は7月に1オンスあたり4,000ドル付近の底値を打って反発して以来、比較的狭い範囲で推移しており、先週はトレーダーが連邦準備制度理事会(Fed)の金融政策の見通しを繰り返し再評価したため、4,400ドルの前後で変動しました。
ドル指標の上昇は、米ドル建てで価格決定される金を多くの買い手にとって高価にしています。金曜日に0.1%上昇したブルームバーグ・ドル・スポット指数は、月曜日はほぼ横ばいでした。トレーダーは9月の利上げへの賭けを強めており、金曜日のセッション序盤の五分五分という見方から、現在は約60%の可能性を織り込んでいます。CMEのFedWatchツールによれば、9月15日から16日のFed会合での利上げ確率は58.4%となっています。一般的に、非利回り資産である金にとって、借入コストの上昇は逆風となります。
市場の焦点は今週発表される米消費者物価指数へ
労働市場の回復は利上げの正当性を補強しているものの、金融市場の関心はすでに次の重要指標へと移っています。市場関係者は、今週後半に予定されている米国の物価統計が今後の金利政策の行方を左右すると見ています。
KCM Tradeのチーフ・マーケット・アナリストであるTim Waterer氏は、雇用統計が予想を上回る強い結果となり金価格に圧力をかけたものの、それだけで9月の利上げが確定したわけではなく、今週発表される米国の消費者物価指数(CPI)が判断を下すための重要な要素になると述べています。
今週は、木曜日に米生産者物価指数(PPI)、金曜日に消費者物価指数(CPI)の発表が予定されています。KCM Tradeのチーフ・マーケット・アナリストであるティム・ウォーター氏(Tim Waterer)は、「強いインフレ指標はFedの利上げ期待を強め、利回りをさらに押し上げ、金にさらに重くのしかかるだろう」と述べています。
地政学的リスクと米国政治の動向が交錯する市場環境
金融政策の不透明感に加え、中東情勢の緊迫化がエネルギー供給への懸念を呼び起こしています。イランは、週末に米国が船舶を攻撃したことへの報復として、ホルムズ海峡で3隻の石油タンカーおよび複数の米国関連船を標的にしたと発表しました。これによりエネルギーフローの長期的な混乱への懸念が高まり、月曜日の原油価格は上昇しました。また、イランの政府高官は、さらなる攻撃を受けた場合には「痛みを伴う対応(painful response)」をすると警告しており、イラン側は経済を麻痺させている米国の制裁による問題に対処するための取り組みを強化すると述べています。
政治的な動きでは、ドナルド・トランプ米大統領が金曜日に、Fedが金利を下げない限り、米国が赤字を抱えている国々との貿易を停止すると述べました。
その他の貴金属では、スポットシルバーが0.1%から0.2%下落し、1オンスあたり66.03ドルから66.17ドルの範囲で推移しました。プラチナは0.8%安の1,805.53ドルとなり、パラジウムは0.7%安の1,396.08ドルに低下しましたが、一部の時間帯ではパラジウムに上昇が見られました。