米株式市場は火曜日、原油価格の再上昇に伴うインフレ懸念が強まり、米国債利回りが上昇したことで、ハイテク株を中心に大幅に下落しました。特に人工知能(AI)や半導体、メモリ関連株の割高感に対する疑念が投資家の間に広がり、世界的な売り浴びせにつながりました。
原油価格の上昇とインフレへの警戒感
今回の市場混乱の直接的な要因となったのは、原油価格の上昇です。国際指標となるブレント原油は2%上昇し、1バレルあたり92.33ドルに達しました。この背景には、米国とイランの戦争により、世界の石油輸送量の約20%を占める重要な航路であるホルムズ海峡が事実上閉鎖されている状況があります。
エネルギー価格の上昇は、ガソリン代から輸送コストに至るまで経済全体のコストを押し上げ、家計や企業にさらなる圧力をかけます。連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ率の目標を2%としていますが、現状は3%を上回っており、原油ショックがインフレ対策を困難にしています。このため、市場では年内に金利が低下するのではなく、むしろ上昇する可能性に注目が集まっています。
米国債利回りの上昇と債券売り
インフレ懸念と合わせて、米国債市場での売りが加速しました。指標となる10年物米国債利回りは、月曜日の4.75%から4.76%へ上昇し、2年物米国債利回りは4.34%から4.37%へと上昇しました。特に2年物利回りはFRBの金利決定への期待を強く反映するため重要視されており、2026年初頭に見られた約3.50%という水準を大幅に上回っています。
また、2週間前に米国の国家債務が40兆ドルを突破したことで、政府の借入規模に対する懸念が高まっています。防衛費や債務利息が連邦支出の大きな割合を占める中、投資家は政府債務を保有するために、より高いリターンを求める傾向にあります。利回りの上昇は住宅ローンなどの借入コストを増大させ、企業の投資意欲を削ぐとともに、株式のようなリスク資産の魅力を低下させます。
ハイテク株・半導体株の急落
金利上昇とバリュエーションへの懸念から、ナスダック指数は2.2%下落し、非金融株の大型株で構成されるナスダック100指数は3.2%を超える急落を記録しました。S&P 500は1.4%下落し、ラッセル2000は1%近く下落、ダウ工業株30種平均は46ポイント安で取引を終えました。

特に半導体セクターの打撃が大きく、Sandisk、Micron Technology、Armの株価は10%以上 plunged(急落)しました。また、Marvell、Analog Devices、Western Digital、Texas Instruments、Qualcommも約9%下落しました。AIブームの中心であるNvidiaは4.15%下落しました。
JPMorganのアナリストは、水曜午後に予定されているメモリメーカーのMicronの決算発表を前に、投資家の間に「不安」がある可能性を指摘しています。Wedbush Securitiesのテックリサーチ責任者であるDan Ives氏も、Micronの決算を控え、重要なメモリチップ取引において緊張感が高まっているとの見解を示しました。
世界市場への波及とSpaceXの状況
この傾向は米国以外にも波及し、欧州のStoxx 600は0.8%下落、ドイツのDAX指数は1%下落しました。DAXでは半導体メーカーのInfineonが6%以上下落し、最大の下げ幅を記録しました。アジア市場でも、韓国のKospiなどが激しく変動しています。

また、個別の銘柄では、6月12日の米国市場デビュー後、好調な展開を見せていたElon Musk氏のSpaceXの株価が数日間にわたって下落しています。直近1週間で記録した1株あたり225ドル以上のピークから、時価総額にして9,150億ドル以上の価値が消失しました。
主要指数の変動(火曜日終値)
| 指数 | 下落率 / 変動 |
|---|---|
| Nasdaq Composite | -2.2% |
| Nasdaq 100 | -3.2%超 |
| S&P 500 | -1.4% |
| Russell 2000 | 約-1% |
| Dow Jones | -46ポイント |