ヒマラヤ地域で発生した氷河崩壊を発端とする激しい鉄砲水と泥流は、ネパールとチベットの渓谷沿いのコミュニティを直撃した。衛星画像を分析した科学者によれば、この崩壊は氷河の下にある基盤岩の破壊に起因するとみられ、マグニチュード5.2の地震波に匹敵するほどの強力な岩盤崩落を引き起こした。
ネパールと中国国境を襲ったヒマラヤの巨大会と死者数の急増
現地の災害対策機関の最新集計によると、ネパール国内だけで確認された死者は1,003人に達し、外国人583人を含む3,916人が行方不明となっている。一方の中国側でも、外国人261人を含む546人の行方不明者が報告され、これまでに16人の死亡が確認された。被害の規模があまりにも大きいため、道路の破壊や土砂崩れによって孤立した遠隔地への救助活動は極めて困難な状況に直面している。
水力発電所のトンネル救助とギロング港周辺の捜索活動
救助隊の最優先課題の一つとなっているのが、洪水で深刻な被害を受けた水力発電所のプロジェクト現場である。12の発電所関連施設から約900人の労働者が行方不明となっており、そのうちおよそ500人がトンネル内に閉じ込められていると見られている。
ネパール軍の報道官であるラジャ・ラム・バスネット少将は、外国の専門家らの支援を受けながら、複数の水力発電所で捜索チームが活動を続けていると明らかにした。軍が公開した映像には、救助隊員たちが泥水に浸かりながら瓦礫で塞がれたトンネルの内部へと進む様子が捉えられている。

国境を挟んだ中国側では、壊滅的な被害を受けたギロング港(吉隆口岸)の周辺で土砂崩れ現場の捜索が続けられている。中国共産党機関紙の人民日報系メディアであるグローバル・タイムズ紙が報じたところによると、捜索犬を伴った救助隊が岩や瓦礫の隙間を探る一方で、重機を使用して主要なハイウェイの瓦礫を撤去し、災害現場への人員や物資の輸送路確保を急いでいる。
カトマンズでの身元不明者の仮埋葬とDNA採取の現実
カトマンズでは、身元の確認されていない多数の犠牲者を収容するため、警察が雨の中で森林地帯の隣に複数の溝を掘り、仮埋葬作業を進めた。現場には有刺鉄線が張り巡らされ、名前の分からない犠牲者たちの墓標には青い番号マーカーが立てられている。
国際社会からの救援物資と現場パイロットの証言
ネパール当局の発表によれば、これまでに少なくとも11,814人が救助された。橋や道路が流された地域では、ヘリコプターやその他の航空機を活用して孤立したコミュニティへの支援物資の輸送や救助が段階的に拡大している。
長年この地域を知る救援ヘリコプターのパイロットであるビマル・シャルマ氏は、チベットに近い国境の町ティムレの惨状を目の当たりにし、大きな衝撃を受けたと語った。
「まるで全く異なる風景の上を飛んでいるかのように感じられた。」 ビマル・シャルマ(救助ヘリコプターのパイロット)
シャルマ氏は救助した人々と十分に言葉を交わす余裕すらなかったと振り返り、「彼らの目に宿る痛みを見ることができた。本当に胸が張り裂けそうになる」と述べた。
気候変動のリスクと今後の国際社会への訴え
今回の未曾有の災害を受け、ネパールの首相を務めるバレンドラ・シャハ氏は、気候変動に対処するための行動が急務であると強く訴えている。
「この出来事は、ヒマラヤ地域私たちが直面しているリスクが気候変動とともに増加していることを示している。したがって、この地域は警戒を怠ってはならないと同時に、私たちが気候変動によって引き起こされる災害の問題を国際社会に対して強く提起すべき時である。」 バレンドラ・シャハ(ネパール首相)