インドネシアの森林および泥炭地で発生している大規模な火災の影響により、近隣のマレーシア、特にボルネオ島のサラワク州で空気質が危険な水準に達している。この煙害は、スマトラ島およびボルネオ島のインドネシア領であるカリマンタンで発生した火災によるもので、8月を通してマレーシアの広範囲に停滞している。
インドネシアの森林火災が引き起こす深刻な越境煙害
アルジャジーラによると、マレーシアの空気汚染指数(API)では100を超えると不健康とされるが、火曜日にはサラワク州の6つの地域で300を超える「危険」な数値が記録された。これは2015年以来、東南アジア地域で最悪の煙害事象となっている。
広がる健康被害と社会生活への影響
煙害の悪化に伴い、マレーシア全土で呼吸器疾患が急増している。保健省の発表によれば、8月23日から29日の週には喘息の症例数が1,811件に達し、前週の219件から大幅に増加した。結膜炎の症例も146件から720件へと急増している。

インドネシア当局の対応と火災の拡大
火災の主因について、インドネシア当局は、農業用の土地造成を目的とした違法な野焼きが行われていると指摘している。インドネシアの林業省は、国内で1万1,908か所のホットスポット(熱源)を検知したと報告しており、そのうち5,000か所以上がボルネオ島に集中している。
モンガベイによると、インドネシア当局はすでに72人の容疑者を逮捕・起訴した。また、中央カリマンタン州の警察当局も、過去1週間で12人の容疑者を放火や違法な土地開拓の疑いで拘束したと発表した。ラジャ・ジュリ・アントニ林業大臣は、火災現場を視察した際に「自然と森林を破壊する者には、例外なく厳正な法的措置をとる」と強調した。
AP通信によると、今年1月から8月24日までに焼失した面積は約28万6,000ヘクタールに及ぶ。この火災の深刻化には、長期的な乾燥状態と強力なエルニーニョ現象が追い打ちをかけている。
消火活動と越境汚染の限界
インドネシアの国家災害対策庁(BNPB)は、軍部隊や消防士、ボランティアを含む数万人規模の人員を動員し、空からの放水や地上での消火活動を展開している。また、泥炭地でくすぶる火災を封じ込めるための防護溝の掘削や、降雨を促す人工降雨作戦も実施されている。

サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、マレーシア側も化学物質を散布して雨を降らせる人工降雨を実施しているが、マレーシア気象局のジャイラン・サイモン局長は、「発生源で火災が続いている限り、一時的な緩和にしかならない」と指摘し、抜本的な解決の難しさを認めている。