2026年8月30日、ノバク・ジョコビッチは全米オープンテニス男子シングルス1回戦でマリアーノ・ナボーネに敗れ、20年ぶりの初戦敗退を喫した。試合中、ジョコビッチは嘔吐や背中の痛みに苦しみ、自身の肉体的な限界を露呈。今後のキャリア継続について不透明な状況となっている。
20年ぶりの早期敗退と深刻な体調不良
ノバク・ジョコビッチの2026年全米オープンは、大会初日に幕を閉じた。アーサー・アッシュ・スタジアムで行われた1回戦で、世界ランキング48位のマリアーノ・ナボーネを相手に、ジョコビッチは7-6(5)、5-7、4-6、6-2、6-1のスコアで敗北した。この結果、ジョコビッチが保持していたグランドスラム大会での78連勝という初戦突破記録が途絶えた。彼が四大大会の初戦で敗退するのは、2006年の全豪オープン以来、実に20年ぶりのことである。
試合中、ジョコビッチの苦境は明らかだった。第1セットの途中から暑さと湿気の影響を受け、コート上で何度も嘔吐し、医療タイムアウトや鎮痛剤の服用を余儀なくされた。第4セット以降は、背中の痛みと足の痙攣が重なり、サーブの球速も低下。試合後のインタビューでジョコビッチは、自身の体調について率直な感情を明かしている。
「コート上でひどい気分だったことは明らかです。これは今年、ほぼ毎試合付きまとっている深刻な問題です。嘔吐し、吐き気がする。そして全身が崩れ始め、痙攣と痛みが襲ってくる。最後は背中と肩が限界を迎え、試合を締めくくることができませんでした」 ノバク・ジョコビッチ
マリアーノ・ナボーネにとっての「夢の勝利」
対戦相手のナボーネにとって、この勝利はキャリア最大の瞬間となった。25歳のアルゼンチン人選手であるナボーネは、幼少期からの憧れであったジョコビッチを、テニス界最大の舞台で破ったことに喜びを隠さなかった。

ジョン・マッケンローの解説を巡る論争
「君はコート21で2回戦を戦うことになる。幸運を祈る。その努力と集中力を維持しつつ、若者よ、その瞬間を楽しんでくれ」 ジョン・マッケンロー、ESPN解説者

ジョコビッチの今後と「引退」への問い
39歳となったジョコビッチは、現在グランドスラムタイトルから3年間遠ざかっている。今回の敗退を受け、テニス界では彼の将来について疑問の声が高まっている。ジョコビッチ自身は、引退について明言を避けているものの、現状の体調管理については手探りの状態であることを認めた。
- 身体的課題:過去数年間、特に高温多湿な環境下での健康上の問題を抱えている。
- 記録:全米オープンには20回出場しており、これは男子シングルス史上4人目の記録。
- 不確実性:自身の抱える健康問題が「修正可能かどうか」という問いに対し、「わからない。努力はしている」と答えるにとどまった。
ジョコビッチは試合後、自身の不調にもかかわらず温かい声援を送ったニューヨークの観客に対し、感謝と謝罪を伝えた。今後、彼が再びグランドスラムの舞台に戻ってくるのか、あるいはこれが Flushing Meadows における最後の姿となるのか、その去就が注目されている。