中国有人宇宙工程弁公室は2024年8月25日までに、水氷の探査などを計画していた月探査ミッション「嫦娥7号」の打ち上げ延期を発表した。月南極の厳しい打ち上げ条件や気象条件の影響により、今年度の予定ウインドウ内での実施を見送る判断を下した。
嫦娥7号の打ち上げ延期:中国有人宇宙工程弁公室の決定と公式見解
中国は海南島の文昌航天発射場から、月南極周辺での水氷探査や資源調査を目指す大型月探査ミッション 嫦娥7号 の打ち上げを予定していた。しかし、直前になって計画の変更が発表された。中国有人宇宙工程弁公室は日曜日、総合的な評価を行った結果、安全と信頼性の原則を遵守するため、計画を見送ると明らかにした。
公式発表では、計画が直面にしている課題について慎重な姿勢が強調されている。新華社通信が伝えた同弁公室のコメントによれば、今回のミッションについて 「嫦娥7号のミッションは打ち上げ条件を満たしておらず、今年の予定された打ち上げウインドウ内で実施することはできない」 と説明されている。
「総合的な評価」 中国有人宇宙工程弁公室
上記のような厳しい判断は 「慎重さ、信頼性、絶対的なミッションの成功」 という基本原則に基づいていると強調されており、具体的な技術的詳細や不具合の内容については追加の言及がなされていない。準備作業は数週間にわたり文昌の施設で進められていただけに、急転直下の決定となった。
月南極の過酷なウインドウと熱帯低気圧の影響
今回の打ち上げ延期をめぐっては、公式な発表の裏で具体的な気象や軌道上の制約要因が明らかになっている。タイ国立天文研究所(Narit)は日曜日、宇宙船に搭載される科学機器の共同開発を行っている立場から、南シナ海で発生した 熱帯低気圧「Narra」の動向 が影響したことを指摘した。


月南極という特殊な着陸目標地点が、スケジュール管理を極めてタイトなものにしている。太陽の光線がクレーターの角度と完璧に一致しなければならない制約があり、機関は 「月南極の目標着陸地のため、太陽が月面クレーターとちょうど良く並ぶ非常に特殊な打ち上げウインドウが存在する」 と説明している。
わずか数日の遅れが、スケジュール全体に致命的な影響をもつ構造となっている。同研究所によれば 「数日間の遅れは、早くても1ヶ月後の次の打ち上げウインドウへの延期を意味する」 とされ、今年のウィンドウ内での打ち上げが不可能になったことで、次回以降の調整が焦点となる。
嫦娥計画のこれまでの成果と今後の見通し
嫦娥計画はこれまで着実な成果を重ねてきた。中国の月探査プログラムの第7弾となる今回のミッションでは、周回機、着陸機、ローバー、ホッパーを組み合わせた大規模な探査が予定されており、永久影に覆われたクレーターの調査や環境・資源調査が目指されていた。
直近の大きな成功としては、月裏側の土壌や岩石のサンプルを持ち帰った 嫦娥6号の探査機が2024年に地球へ帰還した偉業 が挙げられる。世界初の快挙を成し遂げた同プログラムに対し、今回の嫦娥7号がどのような技術的ブレークスルーをもたらすのか、今後のスケジュール再設定と次期ウインドウの発表が注目される。