2026年8月20日夜から22日にかけて、ロシア軍はウクライナの首都キーウおよび周辺地域に対し、弾道ミサイルや巡航ミサイル、ドローンを用いた数時間に及ぶ大規模な夜間攻撃を敢行しました。ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領によると、キーウでは弾道ミサイルが鉄道インフラを直撃し、1人が死亡、1人が負傷しました。
首都キーウとザポリージャにおける相次ぐ夜間空爆
ロシア国防省は、この攻撃について自軍が機関車庫を目標としてヒットさせたと発表しています。キーウ周辺地域でも別のミサイル攻撃により1人が命を落としました。首都キーウでは米製パトリオット防空迎撃ミサイルの慢性的な不足を突く形で、弾道ミサイル攻撃が激化しています。
南部ザポリージャの村落でも、夜間のドローン攻撃で1人が死亡しました。現地当局の発表によると、ザポリージャの州都中心部ではミニバスが攻撃を受け、3人が負傷しています。
前日のクリヴィー・リウでの惨事と死傷者拡大
今回の連続攻撃は、ウクライナ中部クリヴィー・リウのショッピングモールがロシア軍のドローンによる空爆を受けた翌日に発生しました。ゼレンスキー大統領の故郷でもある同地では、初弾のドローン攻撃の後に救助隊が駆けつけたタイミングで2発目が着弾する「ダブルタップ」戦術が用いられました。

ドニプロペトロウシク州のオレクサンドル・ハンジャ行政長官は、このモール攻撃による死者が16人に達し、さらに130人が負傷、9人が行方不明のままであると明らかにしました。火災は約9,000平方メートルの範囲に広がり、懸命な消火・救助活動が行われました。
ロシア領クラスノダール地方での被害と国境を越える応酬
ウクライナ側もロシア領内への長距離ドローン攻撃を継続しており、戦火は国境の向こう側にも及びました。南部クラスノダール地方では、ウクライナのドローン攻撃により子ども2人が死亡し、大人2人が負傷したと現地当局が発表しています。

ロシア国内の独立系メディアなどの報道によれば、サマラ地域の製油所がウクライナのドローンによって火災に見舞われたほか、オゾンの物流センターや未確認の工業施設でも被害が確認されています。ウクライナによるロシア国内の燃料施設や大型小売倉庫への攻撃は、ロシア国内のサプライチェーンに混乱をもたらしています。
国連が指摘する深刻な民間人被害と今後の懸念
国連の直近の発表によると、キーウは民間人被害が最も深刻な都市の一つとなっており、7月だけで少なくとも54人の民間人が死亡、202人が負傷しました。夏場を通じて大規模なロシア軍の空爆が日常化しており、市民生活への打撃は計り知れません。
アルジャジーラの報道も含め、ウクライナ全土の28か所が標的となったこの一連の攻防において、防空体制の強化とインフラの防衛が喫緊の課題となっています。両軍による激しいドローンとミサイルの応酬は収束の兆しを見せず、市民の安全をめぐる状況は一段と厳しさを増しています。