Paramount Picturesの元国内配給担当プレジデントであるChris Aronson氏が、同社を相手取り、契約違反および年齢差別を主張する訴訟をロサンゼルス郡上級裁判所に提起した。Aronson氏は、自身の不当解雇および退職金の一部未払いにより、400万ドルを超える経済的損害を被ったとして、陪審裁判による審理と損害賠償を求めている。
元Paramount幹部Chris Aronson氏が契約違反と年齢差別で提訴
本件の原告であるAronson氏は、2019年にParamountに入社し、「Top Gun: Maverick」や「Sonic the Hedgehog」シリーズ、「A Quiet Place」などの主要作品の配給を統括してきた。同氏は2025年7月に契約を更新し、2028年12月1日までの雇用が保証されていたが、Skydance MediaによるParamountの買収完了直後の9月29日、解雇を通告された。
契約上の未払い金と「2年間の支払い上限」を巡る対立
訴状によると、解雇の際、Paramountの新共同会長であるDana Goldberg氏とJosh Greenstein氏との会議において、Greenstein氏はAronson氏に対し「契約に基づき支払われるべきものはすべて支払う」と伝えていた。しかし、Aronson氏が退職した後に、Paramount側は社内規定を理由に支払いを2年分に制限する姿勢を示した。
Aronson氏側の主張では、この制限により本来受け取るべき報酬から130万ドルが削減されている。同氏の代理人であるBarry Kaufman弁護士は、Paramount側が退職金の支払い時期に関するIRS(内国歳入庁)の規定を誤って解釈していると指摘している。Aronson氏は、給与やインセンティブ、福利厚生を合わせると、損害額は400万ドルを上回ると主張している。
年齢差別と組織的な人員削減への疑義
Aronson氏は、自身の解雇が年齢差別に基づいていると訴えている。当時69歳であった同氏は、解雇後にParamountが公開した人員削減データから、40歳以上の従業員が62名削減されたのに対し、40歳未満は30名であったという統計的パターンを見出した。訴状では、55歳以上の従業員が不釣り合いに高い割合で解雇されていると指摘されている。

また、Aronson氏の後任として、Lionsgateの元共同プレジデントであるShaun Barber氏が2025年11月に就任した点についても、「年齢を考慮した交代人事」であると主張している。Aronson氏の訴状は、「この訴訟は、破られた約束と、年齢を理由とした交代人事に関するものである」と述べている。
Skydance買収後のスタジオ再編
今回の訴訟は、David Ellison氏によるSkydanceのParamount買収に伴う大規模な経営体制の刷新の中で発生した。Aronson氏は、2025年10月に他の複数の幹部らと共に退職を余儀なくされた。Paramount側は、この件に関する取材に対してコメントを控えている。

現在、ParamountはSkydanceとの統合を進める一方で、Warner Bros. Discoveryとの合併計画を巡っても州司法長官らによる訴訟に直面しており、法的な逆風が続いている。Aronson氏の訴訟は、こうした企業再編の過程で生じた個別の雇用紛争として、業界内で注目を集めている。