同大統領はこうした欧州側の動きについて、国際海洋法に違反する行為であると主張している。その上で、メディアや関係機関の報道によると、プーチン大統領は次のように強く批判した。
サハリン島での演習視察と「海賊行為」への反発
さらに、同大統領は差し押さえの動き自体を「海賊行為や強盗のようなものにほかならない」と断じ、ロシアによる報復は必ずしも船舶が拿捕された海域だけに限定されるわけではないと強調した。ロシア指導部は必要かつ適切と判断するあらゆる場所で、太平洋地域を含めて対応する構えを示している。
欧州による「影の船団」への締め付けとロシア側の報復論
こうした西側の取り締まりに対し、モスクワ側は安全保障および経済の両面から警戒を強めている。太平洋艦隊司令官のヴィクトル・リイナ大将は、プーチン大統領への報告の中で、英仏などの欧州諸国が他国の旗を掲げて運航する「影の船団」を検査・拿捕するための十分な戦力を有しており、任務を遂行する準備ができていると表明した。
さらに、ロシア安全保障会議のドミトリー・メドベージェフ副議長も、欧州の運航船の多くが便宜置籍船を利用している実態に言及し、ロシアには敵対国のいかなる商船に対しても、敵の利益のために貨物を輸送している合理的な嫌疑がある場合には、自国水域か中立水域かを問わず攻撃する権利があるとの主張を展開している。
英海軍による監視活動の活発化と北極海・アジア太平洋の緊張
また、北極海における「北極海航路(フセヴィル・Морской путь)」の利用を巡っても、周辺国との間で緊張が先鋭化している。ロシアは現在の海洋法の枠組み内で同航路の利活用における協力を確認してきたとする一方、軍事的・政治的な対立の火種が各所に広がりつつある現状浮き彫りとなっている。
日本との関係悪化と北方領土をめぐる言及
アジア太平洋地域に関する言及の中で、プーチン大統領は日本政府による対ロ制裁についても強い不満を表明した。ロシア側からのいかなる挑発もないにもかかわらず、日本がロシアに対する不当な制裁を課していると批判している。

さらに、北方領土(ロシア名:南クリル諸島)をめぐる問題にも触れ、歴史的な経緯や第二次世界大戦後の現実として国際文書上でロシア領とされているにもかかわらず、日本側が領有権の主張や姿勢の変化を見せていると指摘した。かつて安倍晋三政権の時期には建設的な関係が築かれていたものの、近年の東京の姿勢の変化によって平和条約締結交渉を含めた二国間関係が冷え込んでいる現状が示されている。