ロシア政府は火曜日、4年以上にわたり拘束されていた元米海兵隊員のロバート・ギルマン氏を解放した。ドナルド・トランプ大統領はTruth Socialへの投稿で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が「人道的根拠」に基づき解放に同意したと発表した。トランプ大統領は、ロシア側からの要求はなく、いかなる交換も行われなかったと述べている。
マサチューセッツ州ローウェルの教師である32歳のギルマン氏は、火曜日の夜にメリーランド州のアンドルーズ空軍基地に到着する予定だ。トランプ大統領は、自身の代表者が同基地で彼を迎えると述べた。また、ロシアで息子の面会を試みていた母親のナンシー氏も同行して帰国するという。
拘束の経緯と刑期の延長
ギルマン氏は2022年1月17日、パスポート更新のために訪れていたロシアのヴォロネジで、列車内での騒乱により降車させられた際、警察官を暴行したとして逮捕された。当初は3年半の禁錮刑を言い渡されたが、その後、刑期は3回にわたって延長された。
拘束期間中、彼は独房検査中の刑務所検査官への攻撃、捜査官への暴行、および看守への暴行で有罪判決を受けた。2024年10月には8年1か月の刑を言い渡され、さらに12月には看守への暴行で有罪となり、刑期は合計10年にまで延長された。ロシアメディアは、ギルマン氏が容疑を認め、暴行した看守に謝罪したと報じている。
過酷な拘束環境と健康状態の悪化
ギルマン氏の解放を支援した団体「グローバル・リーチ(Global Reach)」の最高戦略責任者エリック・レブソン氏は、ギルマン氏が刑務所で深刻な虐待を受けていたと主張している。レブソン氏によると、最大16時間に及ぶ強制的なエクササイズや向精神薬の投与、嫌がらせが行われ、さらにウクライナでの戦闘への参加を強要されたという。

解放直前のギルマン氏の状態は極めて深刻であった。レブソン氏は、刑務所での虐待により、彼は47日間にわたり解離性昏睡状態にあったと述べた。その後、ヴォロネジの民間病院に転院したが、そこでは経管栄養(フィーディングチューブ)を装着され、ベッドに手錠で固定されていたという。弁護人のイリーナ・ブラジニコワ氏は、彼が7月初旬から精神科病棟に入院しており、状態が悪化していたが、家族や弁護人の面会は許可されていなかったと伝えている。
米政府の対応と今後の治療
米国国務省の報道官は、ギルマン氏の健康状態への懸念から、トランプ政権がロシア政府に対し人道的根拠に基づく解放を繰り返し求めていたことを明らかにした。また、国務省はギルマン氏を「不当に拘束された人物」として言及していた。

ギルマン氏の妹であるレクシー・ハドソン氏は、トランプ大統領がこの件に注目し行動したことで兄の命が救われたと感謝し、あわせて議会での擁護活動を主導したエドワード・マーキー上院議員にも謝意を述べた。一方、マーキー議員は、解放交渉に注目が集まるまでにギルマン氏が死に瀕する状態になるまで放置されたことは「悲劇である」と批判した。
帰国後、ギルマン氏はテキサス州の米軍病院に運ばれ、医学的および心理的な評価と治療を受ける予定である。レブソン氏は、長期的な医学的予後を判断するには時期尚早であるとしており、家族は回復を支援するため、静かに過ごす時間を求めている。
拘束期間と関連詳細
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 拘束日数 | 1,666日間 |
| 逮捕日 | 2022年1月17日 |
| 最終的な刑期 | 10年 |
| 最終目的地 | テキサス州の米軍病院 |
ギルマン氏は、近年米国とロシアの間で行われた一連の高profileな囚人交換の後も、ロシア側に拘束され続けていた少なくとも8人の米国人の一人であった。