アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプは、長年にわたる経済的圧力にもかかわらずイランの核兵器開発の野望を止められなかったとして、自ら始めたイランとの紛争を終わらせるために再び金融面からの締め付けに賭けている。トランプ政権は、数カ月に及ぶ爆撃がイラン経済を限界点へと追い込み、指導部を屈服させて核開発の放棄とホルムズ海峡の完全開放を余儀なくさせると期待を寄せている。
和平交渉の暗礁とトランプ大統領による賠償請求の新たな方針
紛争をめぐる断続的な対話が再び行き詰まりを見せ、主要な兵器の備蓄が減少する中、政権は経済的圧力が突破口を開くと主張している。トランプは月曜日、イランが平和交渉の一環として補償を求めている以上、アメリカ側も同様に要求する意向であると述べた。この方針転換は、イランが財政的崩壊の瀬戸際にいるという同大統領の新たな主張に沿ったものである。
トランプは記者団に対し、イランは厄介な問題を起こすことはできるものの無一文の状態であり、資金が全くない状態であると述べた。さらに、イランは完全に破綻しており、兵士への給与も支払えておらず、300%のインフレに見舞われていると記者団に語った。
イラン国内のインフレ率は高水準にあるものの、トランプが挙げた数値は、政権当局者がこれまでに記者団へ説明していた数字よりも高いものだった。長期化する紛争の可能性は、米国を含む他国においても、紛争や高騰するガソリン価格をめぐるインフレリスクを膨らませている。
「経済的怒り作戦」と制裁の効果をめぐる専門家の見方
ホワイトハウスは4月16日以降、イランに対する 「経済的怒り作戦」 と称する取り組みを進めてきた。スコット・ベッセント財務長官は、この構成要素を爆撃作戦の「財政版」と呼び、イランから石油を購入する国やイランと取引する銀行を制裁の対象とする方針を示している。
しかし、この手法には実効性の面で疑問も投げかけられている。オバマ政権時代に対イラン制裁戦略の指揮を執ったコロンビア大学のシニア研究員リチャード・ネフィューは、ホルムズ海峡の閉鎖による打撃ほどのスピードで制裁が機能するわけではないと指摘する。
ネフィューによれば、トランプが核兵器、海峡、弾道ミサイルなどについて一貫しない発言を繰り返してきたため、戦略的目標が曖昧になっているという。「経済的圧力は戦略の構成要素となり得ますが、彼はまだその目的を説明していません」 とネフィューは述べ、武力の不十分な行使や交渉の動揺が自らの手足を縛っていると分析している。
一方で、ジョージ・W・ブッシュ政権で国家安全保障担当副補佐官を務めたフアン・サラテは、米国による海上封鎖や第三国への制裁の脅しが一定の経済的・財務的レバレッジを生み出している点を認めている。「究極の疑問は、米国がイランの石油貿易をどこまで締め付け、第三国に厳しい制裁をちらつかせる意思があるか、そしてその経済的痛みが政権の行動を変えるかどうかを試す忍耐力を持っているかどうかにかかっています」 とサラテは語っている。
ホルムズ海峡の封鎖とイラン側の反発
月曜日には原油価格が上昇した。投資家らは、トランプの発言がホルムズ海峡を通過する船舶のさらなる減少を意味すると受け止め、ガソリンやジェット燃料、天然ガスなどの世界的な供給制限が続くと懸念したためである。

紛争前、同海峡は世界の石油供給のおよそ20%を輸送する要衝であったが、今回の戦争により大部分が閉鎖された。海峡を再開させようとする試みは一時的なものにとどまり、イラン側にとっては交渉における強力な切り札となっている。
イラン側は追加の金融制裁の可能性に萎縮した様子を見せていない。イラン外務省のエスマイル・バゲイ報道官は自身のソーシャルメディアにおいて、次のように批判を展開した。
エスマイル・バゲイ、イラン外務省報道官(AP通信の報道に基づく)
さらにバゲイは、「本当の危険は、アメリカの政治家がこの悪癖にしがみつき、自ら招いた危機からの不名誉ではない出口を探る残されたチャンスすら自ら絞め殺してしまうことだ」 と警告した。
また、イランのアッバス・アラグチ外相はドイツのヨハン・ヴァデプール外務大臣との電話会談において、ホルムズ海峡の安全確保には米国の攻撃的行動や不法な介入、特に海上封鎖などの違反行為の停止が不可欠であると強調した。これに対しヴァデプールは、すべての船舶にとって安全で自由な航行を確保するため、同海峡が無条件で開放されなければならないと求めている。